「ハーバリウム」とは?ハンドメイド作家が徹底解説!
「ハーバリウム」とは?
特徴
「ハーバリウム(Herbarium)」とは植物標本のこと。
もともとは植物の研究目的に使われていた保存方法でしたが、近年、その美しさが話題となり、観賞目的として作られるようになりました。
ドライフラワーやプリザーブドフラワーを特別な保存液(ハーバリウム専用オイル)に浸すことで、長期間その美しさを維持できます。
日に当てたり水やりをする必要もありません。
歴史
室内の観賞目的(インテリア)として、また、ハンドメイドとしてハーバリウムが注目を集めたのは、2017年初頭のこと。
GoogleTrend※で調べてみると、2017年以前に「ハーバリウム」というキーワードをネットで検索する人はほとんどいませんでした。
ところが、2017年4月ごろになると「ハーバリウム」というキーワードを調べる人が徐々に増え、翌年の2018年4月ごろには激増しています。このころから、世間に広く認知されていることが分かります。
※「GoogleTrend」は、ある単語がGoogleでどれだけ検索されているかというトレンドをグラフで見ることができるツール。
使い方
ハーバリウムは観賞目的に使います。
窓際にインテリアとして飾るのがおすすめです。揺らすとオイルの中でゆらゆら動く植物に癒されますね。
保存期間は半年〜1年ほど。ハーバリウムオイルは腐食の進行を遅らせるものであって、腐食を完全に防ぐものではありません。
ハーバリウム作りの材料
ハーバリウムを作るには、次の材料が必要です。
ガラス瓶
ハーバリウムの土台となるガラス瓶です。ハーバリウムに使うボトルは細長い「円柱」や「六角」タイプを用いると美しく見えます。丸いスキットル型(幅広)のボトルも人気。
ハーバリウムのボトルサイズは、小さいもので100ml、大きいもので200mlがあります。
ハーバリウム専用オイル
ドライフラワーやプリザーブドフラワーを腐食させないために用いる、ハーバリウム専用のオイルです。水はドライフラワーが腐食するので使用できません。
ドライフラワー
ハーバリウムの主役となる花です。花は、ドライフラワー・プリザーブドフラワー・ドライフルーツ・ペッパーベリーなどがハーバリウムに適しています。
生花は腐食するので使用できません。
造花を使う手段もありますが、それだとハーバリウム(植物標本)の趣旨とは異なるので、おすすめしません。
ハーバリウムピンセット
ハーバリウムオイルをボトルに入れた後に、花の位置を調整したり、花材同士の引っ掛かりを調整する道具です。
リボン
仕上げに、ガラス瓶に付けるリボンです。ワンポイントにおすすめ。
ハーバリウム材料の販売店
主な販売店
ハーバリウムの材料が売っているお店は手芸専門店です。
- ユザワヤ
- クラフトハート トーカイ
- ホビーラホビーレ
- パンドラハウス
- 手芸センタードリーム
のほか、ホームセンターの手芸用品売り場や東急ハンズなどにも売っている可能性があります。
100均に売ってる?
100円ショップにも、ハーバリウム制作に使用する材料が売っています。セリアではハーバリウム材料が1式そろいました。
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ハーバリウム材料は100円ショップにも売ってる?
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ハーバリウムの作り方
ハーバリウムの作り方は以下の通り。
- ガラス瓶を選ぶ
- ドライフラワーを選ぶ
- 配置を決める
- ガラス瓶にドライフラワーを入れる
- ハーバリウムオイルを入れる
- ドライフラワーを微調整する
- リボンを付けて完成
ガラス瓶を選ぶ
ハーバリウムの土台となるガラス瓶を選びます。
ドライフラワーを選ぶ
ガラス瓶の中に入れるドライフラワーを選びます。
配置を決める
ドライフラワーの配置を決めます。
ガラス瓶にドライフラワーを入れる
ガラス瓶にドライフラワーを入れていきます。
ハーバリウムオイルを入れる
ハーバリウム専用オイルをガラス瓶に入れます。
ドライフラワーを微調整する
ハーバリウム用のピンセットでドライフラワーの位置を調整します。
リボンを付けて完成
仕上げにガラス瓶にリボンを付けて完成です。
ハーバリウム作りのコツは?
ハーバリウムを作るときのポイントは、
- 完成をきちんとイメージする
- ドライフラワーの色を2~3色に絞る
- 材料はケチらず、ふんだんに使用する
です。
完成をイメージせずにドライフラワーをガラス瓶に適当に詰めていくと、配置や配色のバランスが悪くなります。ガラス瓶に詰めた後に取り除く作業は難しいので、あらかじめ完成をイメージしてから詰めていきましょう。
また、ガラス瓶に詰めるドライフラワーは、ケチらずふんだんに使用するのもポイント。スカスカだと見栄えが悪いだけでなく、動かしたときに配置がずれてしまうからです。
ハーバリウムは売れるの?
個性があればチャンスあり
ハーバリウムは売れます。実際、ハーバリウム専門のハンドメイド作家さんもいます。
ハーバリウムが注目されたのが2017年ごろなので先駆者がすでにいますが、個性的な作品を生み出せば、まだまだ見込みはあります。
プレゼントとしても人気なので、「母の日」や「誕生日」に合わせた作品が注目を集めるかと思います。
価格設定は?
販売価格は、原価を基準に決めていきます。
以下は、実際に200mlボトルでハーバリウムを作ってみたときの材料費の計算です。
材料 | 値段 |
ガラス瓶 | 200円 |
ハーバリウム専用オイル | 500円 |
ドライフラワー | 800円 |
合計 | 1,500円 |
ハーバリウム1本を作るのに1,500円も掛かりました。
これに作業費や梱包代、ハンドメイド販売サイトの手数料を考えたうえで最終的な値段が決まります。
作業時間は慣れてくると10分も掛からないと思うので、3,000円前後が相場でしょうか。材料費も工夫すればもっと安くできるかもしれません。
「制作キット」が狙い目
完成品のハーバリウムを売るのも良いですが、制作キットを売るのもおすすめです。
「ハーバリウムを1本だけ作ってみたい」と考えている人にとって、大容量のハーバリウム専用オイルを買うのはちょっとハードルが高いと思います。
また、少量ずつ、複数のドライフラワーを買うのも難しいでしょう。
こういった制作希望者に、1本だけ試しに作れる制作キットは喜ばれるのではないでしょうか。
まとめ
ハーバリウムとは植物標本のこと。もともとは研究用の植物の保存方法でしたが、2017年ごろからインテリアとして注目を集め、飾ったり作ったりする人が増えました。
制作に必要な材料はそこまで多くなく、作り方もとても簡単です。興味がある方は、ぜひ制作してみてくださいね。