ネットショップは、「ネットショップ作成サービス」を利用すれば、だれでも簡単に開設することができます。
ただ、サービスによっては初期費用がかかったり、毎月の固定費がかかることがあります。有料サービスの方が機能やサポートが充実しているものの、売れなくても費用が発生するのは、個人のハンドメイド作家さんにはハードルが高すぎますよね。
そこでこの記事では、個人のハンドメイド作家さんでも気軽にはじめられる、初期費用も月額料金も無料の人気ネットショップ作成サービス 4 社(BASE / STORES / カラーミーショップ / メルカリShops)をご紹介します。
どのサービスも売れるまでは費用が発生しませんが、手数料や機能、集客力などに大きな違いがあります。この記事では、各サービスの特徴に加え、手数料や機能の違いについても詳しく触れています。また、4 社の中からのおすすめもご紹介していますので、ぜひネットショップ開設の際のご参考にしてください。
※ 2024年1月16日 に、BASE は「グロースプラン」の料金を値上げ、STORES は有料プランの名称を「ベーシック」に変更しています。本記事は変更後の内容を表示。
ネットショップ作成は「BASE」
ネットショップを作成するなら
開設実績 6 年連続 No.1 の「BASE」。
無料プランでも充実の機能数。
匿名配送で安心発送。
集客にも強くて頼もしい。
無料開設できるネットショップ作成サービス
初期費用も月額費用も無料のネットショップ作成サービスは次の 4 社。
初期費用と月額費用が無料と言っても、売れてから手数料はかかるので、サービスごとにしっかりチェックしましょう。また、ほとんどのサービスでは、売上が伸びてきたときのために有料プランを用意しています。無料プランと有料プランの違いもきちんと理解しておきましょう。
1. BASE
プラン | スタンダードプラン | グロースプラン |
初期費用 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 1 ヶ月払い:19,980円 12ヶ月一括払い:198,960円 |
決済手数料 | 商品が売れたときに発生 3.6% ~ + 40円 |
商品が売れたときに発生 2.9% ~ |
サービス利用料 | 商品が売れたときに発生 3% |
- |
振込手数料 | 売上を振り込むときに発生 250円 |
売上を振り込むときに発生 250円 |
お急ぎ振込手数料 | 入金を早めるときに発生 振込申請金額の1.5% |
入金を早めるときに発生 振込申請金額の1.5% |
事務手数料 | 振込申請額2万円未満で発生 500円 |
振込申請額2万円未満で発生 500円 |
入金サイクル | 振込申請日から 10 営業日後 | 振込申請日から 10 営業日後 |
BASE(ベイス)は、2012年12月創業のASP型のネットショップ作成サービス。開業実績は 6 年連続 No.1 で、BASE で 開設されたショップ数は 200 万店舗以上もあります。
BASE には「スタンダードプラン(無料プラン)」と、「グロースプラン(有料プラン)」があります。スタンダードプランは初期費用や月額料金がかかりません。無料でネットショップを開設できます。手数料がかかるのは、商品が売れたときと売上を振り込むときだけ。グロースプランは月額 19,980 円が発生する代わりに、商品が売れたときの手数料が安くなります。
スタンダードプランとグロースプランの違いは手数料だけで、使える機能やサポート体制に変わりはありません。スタンダードプランでもグロースプランとまったく同じ機能が使えるので、高額な月額料金を支払わなくても豊富な機能で快適にネットショップ運営ができるのが BASE の強みです。
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BASE「無料プラン」「有料プラン」の料金の違いを徹底比較
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2. STORES
プラン | フリープラン | ベーシックプラン (旧:スタンダードプラン) |
初期費用 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 1 ヶ月:3,480円 6 ヶ月:19,440円 12ヶ月:35,760円 |
決済手数料 | 商品が売れたときに発生 5% |
商品が売れたときに発生 3.6% |
振込手数料 | 売上を振り込むときに発生 275円 |
売上を振り込むときに発生 275円 |
スピードキャッシュ手数料 | 入金を早めるときに発生 売上の3.5% |
入金を早めるときに発生 売上の1.5% |
事務手数料 | 入金額 1 万円未満で発生 275円 |
入金額 1 万円未満で発生 275円 |
入金サイクル | 月末締めの翌月末払い | 月末締めの翌月末払い |
STORES(ストアーズ)は、ヘイ株式会社が提供する事業者向けのサービスの総称。ASP 型のネットショップ作成サービスのほか、キャッシュレス決済や POS レジの導入など、ネットショップと実店舗の運営を円滑にするデジタルサービスを幅広く提供しています。
ネットショップ作成サービスに関しては、「フリープラン(無料プラン)」と「ベーシックプラン(有料プラン)」を提供しています。プランによる違いは、「手数料」と「機能」の 2 点。
フリープランは初期費用や月額費用がかかりません。商品が売れたときと、売上を振り込むときにだけ手数料が発生します。ただし、一部の機能が使えないという制限つきです。ベーシックプランは月額 3,480 円が発生する代わりに、商品が売れたときの手数料が安くなり、フリープランで制限のかかっていた機能が使えるようになります。
STORES のフリープランは機能制限がありますが、他のネットショップ作成サービスに比べて商品が売れたときの手数料(決済手数料)は業界最安値となっています。フリープランでは使えない機能については コチラの記事 で解説しているので、あわせて読んでみてください。
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STORES「無料プラン」「有料プラン」の料金と機能の違い
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3. カラーミーショップ
プラン | フリープラン | レギュラープラン | ラージプラン | プレミアムプラン |
初期費用 | 0円 | ショップ開設時に発生 3,300円 |
ショップ開設時に発生 3,300円 |
ショップ開設時に発生 22,000円 |
月額費用 | 0円 | 4,950円 | 9,595円 | 39,600円 |
決済手数料 | 商品が売れたときに発生 6.6%+30円(税抜) |
商品が売れたときに発生 4%~※ |
商品が売れたときに発生 4%~※ |
商品が売れたときに発生 4%~※ |
振込手数料 | 決済代行会社の契約内容による | |||
入金サイクル | 決済代行会社の契約内容による |
※GMOイプシロンで契約時の料金(法人 / クレジットカード)
カラーミーショップは、GMO ペパボ株式会社が運営するASP型のネットショップ作成サービス。「GMO」と言えば、ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」も提供しているので、ご存じの作家さんも多いでしょう。
カラーミーショップは、「フリー」「レギュラー」「ラージ」「プレミアム」の 4 つのプランを提供しています。プランによって、機能やサポート、手数料などが異なります。
フリープランは初期費用や月額費用などがかかりません。商品が売れたときと、売上を振り込むときに手数料がかかります。この点は「minne」と同じで、毎月の固定費がかからないためリスクなくショップ運営ができます。その反面、他のプランに比べて使える機能が限定的だったり、ディスク容量(写真などのデータをアップロードできる許容量)が少なかったり、サポートがメールのみだったりと、かなり厳しい制限があります。
レギュラー以上のプランは初期費用や月額費用がかかります。その代わり、使える機能が増え、商品が売れたときの手数料も安くなります。サポート体制も充実しており、メール・電話・チャットでの問い合わせに対応しています。毎月の売上が大きくなったときも、充実の機能数と安心のサポート体制で快適にネットショップ運営ができるのがカラーミーショップの強みです。
なお、minne や他のネットショップ作成サービスとは異なり、カラーミーショップには決済機能がありません。GMOイプシロンが提供する「カラーミーペイメント」というサービスを別に契約して、ショップごとに決済機能を導入する必要があります。この点が非常に複雑になっているので、詳しく知りたい方は コチラの記事 に目を通してください。
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カラーミーショップ販売者が負担する手数料と運営費【徹底解説】
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4. メルカリShops
初期費用 | 0円 |
月額料金 | 0円 |
販売手数料 | 商品が売れたときに発生 10% |
振込手数料 | 売上を振り込むときに発生 200円 |
入金サイクル | 月末日締めの翌月10日払い |
メルカリShops は、フリマアプリ「メルカリ」内に事業用のネットショップを開設できるサービスです。
他のネットショップ作成サービスとは異なり、無料プランや有料プランはありません。出店するのに初期費用はかからず、月額費用もかかりません。商品が売れたときと、売上を振り込むときにだけ手数料が発生します。商品が売れたときの手数料(販売手数料)は 10 %となっています。この点はメルカリと同じです。
メルカリとの大きな違いは、値下げ交渉がないこと。また、1 つの商品に対して在庫やバリエーション(色やサイズ違いなど)を設定することもできます。不用品を売る「フリマアプリ」ではなく、商品を売る「ネットショップ」ですので、ネットショップとしての基本的な機能が備わっているのがメルカリ Shops の特徴です。
他のネットショップ作成サービスに比べると手数料が高く、機能数も少ないです。ショップ独自のカスタマイズもほとんどできません。ただ、集客力はありますし、シンプルな操作と使い慣れた管理画面で出品ができるのがメルカリ Shops の良いところです。
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メルカリShops出店者が負担する販売手数料と振込手数料まとめ
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ネットショップ作成サービス選びのポイント
ネットショップ作成サービスを選ぶうえで知っておきたいポイントは次の 4 つ。
無料で作成できるネットショップ作成サービスはどれも似たように思えますが、手数料や機能などに大きな違いがあります。たとえば、商品が売れたときの手数料が他と比べて安い分、使える機能に制限がかかっていることがあります。反対に、手数料は高くても、使える機能が多かったり、集客力が強かったりします。
このように、サービスごとに特徴が異なるので、どれが良いか悪いかではなく、自分の想定している手数料を超えていないか、自分の求める機能が備わっているか、といった基準で選ぶことが大切です。ここからは、4 社それぞれの違いを解説していきます。
ポイント1:ネットショップの種類で選ぶ
ネットショップの運営管理サービスは、大きく分けて「ASP型」と「モール型」の 2 種類があります。
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)型は、ネットショップに必要な機能をレンタルして、クラウド上でネットショップを構築します。インターネット上に独立したネットショップをポツンと開くイメージで、実店舗だと街中の路面店がこれに近い形態です。「BASE」「STORES」「カラーミーショップ」は、ASP 型ネットショップに分類されます。
一方のモール型は、複数のお店が 1 ヵ所に集まって形成されたショッピングモールのイメージで、その中に間借りする形で自分のお店をオープンさせます。モール型は「Amazon」や「楽天市場」などが代表例で、「メルカリShops」もこれに分類できます。
ASP型とモール型にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
ASP型 | モール型 | |
メリット | ・デザインなどの自由度が高くブランディングに向いてる ・無料ではじめられるサービスが多く手数料も安い |
もともとの利用者数が多くサイト内で検索されるなど集客力がとにかく強い |
デメリット | 集客力が弱いためお客様を呼び込む努力が必要 | ・ライバルが多く自分のショップが埋もれやすい ・月額費用や手数料などのランニングコストが高い |
ショップ例 | BASE、STORES、カラーミーショップ | Amazon、楽天、メルカリShops |
ハンドメイド作家さんだと「minne」や「Creema」に自分のお店を出店した経験があるかと思います。ハンドメイドマーケットは他の作家さんと比較されるため価格競争が起きたり、お客様が他のお店に流れてしまう、といったことが起きます。モール型に分類される「メルカリShops」にも同じようなことが起きます。モール型はこういったデメリットはあるものの、ASP 型とは比べ物にならないほどの集客力があります。集客に時間を割くのが難しい作家さんにはモール型が向いています。
一方の ASP 型ネットショップは、集客力そのものがありません。ショップを開設しただけでは商品が売れないどころか、訪問すらされません。そのため、SNS などを使って集客に力を入れなければなりません。ただ、モール型に比べて手数料は安く設定されています。「minne」や「Creema」は販売手数料の高さが利益を圧迫していたので、販路をASP型ネットショップに切り替えることでランニングコストを抑えることができます。集客に時間をかける余裕があり、手数料を少しでも安くしたい作家さんには ASP 型が向いています。
このように、ASP 型とモール型はそれぞれにメリット・デメリットがあるので、どちらが良いか悪いかではなく、自分に向いていると思う方でネットショップを開設すると良いでしょう。
ポイント2:手数料の安さで選ぶ
ほとんどのネットショップ作成サービスでは無料プランが用意されており、お金をかけずにショップの開設から運営までができるようになっています。
とは言っても、完全に無料で運営できるわけではありません。通常、商品が売れたときに販売手数料や決済手数料が発生します。商品が売れたときに発生する手数料は、初期費用などと異なり、注文の度に売上から引かれるため、少しでも安い方が利益を圧迫しません。
この記事で取り上げているサービス 4 社の手数料は次の通りです。
サービス | プラン | 売れたときの手数料 |
BASE ※1 | スタンダード(無料) | 3.6%~+40円+3% |
グロース(有料) | 2.9%~ | |
STORES | フリー(無料) | 5% |
ベーシック(有料) | 3.6% | |
カラーミー ショップ ※2 |
フリー(無料) | 6.6%+33円 |
レギュラー他(有料) | 4%〜 | |
メルカリShops | -(無料プランのみ) | 10% |
※1 Amazon Pay と PayPal で決済された場合、スタンダードプランは 4.6% + 40円、グロースプランは 3.9%
※2 GMOイプシロンで契約時の料金 を参照
各サービスの無料プランに絞って、売れたときの手数料を安い順に並び変えてみます。
- STORES(フリー):5%
- カラーミーショップ(フリー):6.6%+33円
- BASE(スタンダード):3.6%~+40円+3%
- メルカリShops:10%
上記の通り、無料プランでもっとも商品が売れたときの手数料が安いのは「STORES」の 5 %です。
STORES のフリープランは機能制限がありますが、ショップ運営に必要な基本機能は一通りそろっています。そもそも、副業などでネットショップを運営するハンドメイド作家さんだと、それほど多くの機能を必要としませんから、「使える機能も最低限で十分」というケースもあります。「月額無料でなるべくコストを抑えて運営したい」「機能数よりもコスト重視」と考える作家さんには、STORES のフリープランがおすすめです。
ポイント3:集客力で選ぶ
ネットショップ運営の最初の課題が「集客」です。集客とは、ショップへのアクセスを増やす施策のこと。
「ネットショップの種類」でも触れた通り、ASP型は集客力がないので、集客を工夫しなければお客様がお店に訪問することはありません。お客様が来なければ、商品が売れることもありません。モール型は集客力があるものの、ライバルが多く自分のショップが埋もれやすいので、完全にサイト任せにするのではなく、自分も集客に力を入れなければなりません。このように、ネットショップの種類に限らず、商品を売るなら集客努力が必要となります。
ネットショップには、お店への集客を助けるさまざまな機能が用意されています。用意されている集客機能はサービスによって大きく異なり、同じサービス内でも、無料で使えるものもあれば、一部有料となっているもの、プランアップしなければ使えないものもあります。
この記事で取り上げているサービス 4 社の主な集客機能は以下の通りです。
機能名 | BASE | STORES(無料) | STORES(有料) | カラーミー(無料) | カラーミー(有料) | メルカリShops | 説明 |
SEO設定 | ○ | × | × | ○ | ○ | × | 商品ページに「keyword」や「description」を設定して集客 |
ブログ機能 | ○ | ○ | ○ | ○ 5,500円/月 |
○ 無料 |
× | ショップ内にブログ記事を作成して集客 |
Instagram連携 | ○ | ○ | ○ | ○ 550円/月 |
○ 550円/月 |
× | 投稿写真に商品ページへのリンクを挿入して集客 |
Instagram広告※ | ○ | × | × | × | × | × | 商品をInstagram広告として配信して集客 |
TikTok連携※ | ○ | × | × | × | × | × | TikTokで広告を配信して集客 |
Google Merchant Center連携※ | ○ | ○ | ○ | ○ 5,500円/月 |
○ 5,500円/月 |
× | Googleで広告を配信して集客 |
note連携 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | noteのストアページに商品を掲載して集客 |
SNS連携 | Instagram X LINE YouTube TikTok note Ameba |
Facebook X YouTube |
Facebook X YouTube |
Instagram X YouTube TikTok note |
各SNSのアカウントに連携して集客 |
※ Instagram / note / TikTok はアカウントとの連携の有無ではなく、集客機能があるかどうかです。別途広告費をサービス元に支払う必要があります。
上記の通り、無料でつかえる集客機能が多いのは「BASE」です。連携できる SNS も充実しており、メジャーなものは一通りそろっています。カラーミーショップも集客機能は多いものの、利用するには別途費用が必要なので注意が必要です。
メルカリ Shops は集客機能がまったくありませんが、そもそもサイト自体に集客力があるので、外部サイトとの連携を強化しない考えなのかもしれません。
BASE は上記の集客機能に加えて、「Pay ID(ペイ アイディー)」と呼ばれるショッピングアプリからの集客もあります。
Pay ID は購入者向けのショッピングアプリで、BASE で作成された複数のネットショップで構成されています。イメージとしては、Amazon や楽天市場のようなモール型ネットショップの BASE 版です。BASE にショップを立ち上げると自動的に Pay ID への出店もされ、アプリ経由での集客も期待できます。
Pay ID の累計 ID 登録者数は、2023年8月19日に 1,200 万人を突破 しています。毎月 2,200 万人以上が利用する「メルカリShops」には及びませんが、それでも、モール型ネットショップに無料で出店でき、集客を助けてくれるのは心強いですよね。集客に少しでも不安があるなら BASE を選びましょう。
ポイント4:匿名性で選ぶ
ネットショップを運営するなら、「特定商取引法に基づく表記」を掲載しなければなりません。特定商取引法とは、消費者トラブルが生じないようにルールを定めた法律です。お客様がインターネット上で安心して買い物ができるように、ネットショップ運営者は事業者情報やショップのルールを掲載することが義務付けられています。
特定商取引法に基づく表記の項目には、「販売業者」「所在地」「電話番号」が含まれています。自宅でネットショップを運営するハンドメイド作家さんだと、販売業者は氏名、所在地には自宅住所、電話番号にはプライベートで使っている電話番号などを掲載し、公開しなければならないのです。
プライベートな情報を公開するのには抵抗があると思いますが、一部のネットショップにおいては、特定商取引法に基づく表記を「非公開」に設定することができます。非公開にすることで、サービス側の所在地と連絡先に置き換えることができるのです(「販売業者」は非公開にできません)。
この記事で取り上げているサービス 4 社の特定商取引法の非公開設定の対応状況は次の通りです。
- BASE:○(対応)
- STORES:○(対応)
- カラーミーショップ:△(フリープランのみ対応)
- メルカリShops:○(対応)
カラーミーショップは、フリープランのみ特定商取引法の非公開設定ができます。有料プラン(レギュラープラン以上)にプランアップすると公開しなければならないので注意が必要です。
できるだけ個人情報を公開したくないハンドメイド作家さんは、特定商取引法の非公開設定のほかに「匿名配送に対応しているかどうか」も確認しましょう。匿名配送はフリマアプリでは当たり前となっている機能ですが、ネットショップにおいては対応していないサービスの方が多いです。
この記事で取り上げているサービス 4 社の匿名配送の対応状況は次の通りです。
サービス名 | 匿名配送 | 配送方法 |
BASE | ○ | ネコポス 宅急便コンパクト 宅急便 |
STORES | × | - |
カラーミーショップ | × | - |
メルカリShops | ○ | ネコポス 宅急便コンパクト 宅急便 |
BASE とメルカリ Shops は、特定商取引法の非公開に設定できますし、匿名配送にも対応しています。なるべくプライベートな情報を公開せずにネットショップを運営したいなら、BASE かメルカリ Shops がおすすめです。
ハンドメイド作家におすすめは?
ここまで、無料で開設できるネットショップ作成サービス 4 社の特徴や違いをご紹介してきました。ここからは、総合的に判断して、ハンドメイド作家さんはどのサービスを選ぶのがベストなのかをご紹介します。
機能数の多さで選ぶなら「BASE」
次のようなハンドメイド作家さんには、「BASE」がおすすめです。
- 無料プランでもたくさんの機能を使いたい
- 集客がしやすい方が良い
- 個人情報を公開せずに売りたい
BASE は、月額無料の「スタンダードプラン」と月額 19,980 円がかかる「グロースプラン」の 2 つのプランを提供しています。
通常、無料プランと有料プランがある場合は、使える機能やサポートに違いがあります。実際、「STORES」や「カラーミーショップ」の無料プランだと、ショップ運営に必要な基本的な機能しか使えません。売上が伸びてくると機能不足に悩まされるので、やむを得ず有料プランへ変更しなければなりません。
これに対して BASE は、無料プランでも有料プランと同じ機能を使えるようになっています。提供されている機能数も他社の有料プランと比べて同等かそれ以上なので、無料プランのままでも、ずっと快適なショップ運営ができてしまいます。
BASE は集客機能も充実しています。基本的な SEO 対策ができるのはもちろん、Instagram や note に自分の商品を掲載することもできます。連携できる SNS も多いため、集客を工夫すれば、さまざまな場所からのアクセスが見込めます。
ショッピングアプリ「Pay ID」からの集客が期待できるのも心強いです。ASP 型のネットショップ運営で最初の課題となるのが「集客」ですので、少しでも集客に不安があるなら、BASE を選んだ方が安心と言えるでしょう。
特定商取引法の非公開設定と、匿名配送の両方に対応しているのも BASE の強みです。この 2 つを併用すれば自宅の住所や電話番号を一切 公開することなく販売ができるので、「プライベートな情報を教えたくない」というハンドメイド作家さんは、BASE でネットショップを開設することをおすすめします。
手数料の安さ重視なら「STORES」
次のようなハンドメイド作家さんには、「STORES」がおすすめです。
- 月額無料で手数料も安い方が良い
- 基本機能さえそろっていれば十分
- 実店舗も運営している(運営したい)
STORES は、月額無料の「フリープラン」と月額 3,480 円がかかる「ベーシックプラン」の 2 つのプランを提供しています。
フリープランの特徴は、他社と比べて商品が売れたときの手数料が安いこと。BASE だと「3.6% ~ + 40円 + 3%」、カラーミーショップだと「6.6% + 33円」となっているところ、STORES は「5%」と 1.5 %以上も差をつけています。月商10万円の場合、単純計算だと BASE が 6,640円、カラーミーショップが 6,633 円、STORESが 5,000 円となるので、いかにランニングコストが安いかが分かるでしょう。
フリープランは使える機能に制限があるものの、副業などでネットショップを運営するハンドメイド作家さんだと、それほど多くの機能を必要としません。ですから、「月額無料でなるべくコストを抑えて運営したい」「基本機能さえそろっていれば十分」と考える作家さんには、STORES のフリープランがおすすめです。
STORES はネットショップ作成サービス以外にも、キャッシュレス決済や POS レジの導入といったデジタルサービスも幅広く提供しています。
ネットショップとこれらのサービスを連携させれば、効率よく実店舗の運営ができます。たとえば、一度の商品登録で「ネットショップ」と「店舗のレジ」の両方に登録できたり、在庫を連動させる、といったこともできます。
「実店舗を運営している」「将来、店舗を持つことが夢」というハンドメイド作家さんにも STORES はおすすめです。
「カラーミーショップ」は無料で使い続けるのは厳しい
カラーミーショップは、月額無料の「フリープラン」と、月額料金ありの「レギュラー / ラージ / プレミアム」の 4 つのプランを提供しています。
レギュラープラン以上になると、使える機能数が増えたり電話サポートも受けられたりと充実した内容になりますが、フリープランにはかなりの機能制限が設けられているので注意が必要です。
たとえば、1 つの商品に対して登録できる写真の枚数は 4 枚まで、ディスク容量(写真などのデータをアップロードできる許容量)は 200MB までとなっています。ハンドメイド作品を出品するのであれば、1 つの商品をさまざまな角度から撮影した写真を何枚も掲載したいので、 4 枚では到底 足りません。ディスク容量に関しては、仮に写真 1 枚のデータが 1MB だったとすると、200 枚までしか掲載できないので、すぐに上限に達してしまいます。ずっとフリープランで使い続けるのは難しいでしょう。
レギュラープランに変更した後も注意が必要で、特定商取引法の非公開設定が使えなくなったり、フリープランに戻すことができなくなってしまいます。こういった縛りがあるのがカラーミーショップのデメリットです。はじめからレギュラープランでショップ運営するつもりの人が「お試し」としてフリープランを使ってみるのはちょうど良いと思いますが、その つもり がないなら、他のネットショップ作成サービスを選んだ方が良いでしょう。
モールの中でも差別化できるなら「メルカリShops」
次のようなハンドメイド作家さんには、「メルカリShops」がおすすめです。
- 集客に時間を割けない
- メルカリに使い慣れている
- 個人情報を公開せずに売りたい
- モール型の中でも差別化できる
モール型ネットショップである「メルカリShops」の強みは、毎月 2,200 万人以上が利用する「メルカリ」内に商品を掲載できること。すでにお客様で賑わっている場所に自分のお店を出店できるので、独自の集客をしなくても一定数の流入が見込めます。一般的にモール型ネットショップに出店するとなると高額な初期費用や月額料金が発生しますが、メルカリShops なら無料で出店でき、毎月の固定費もかかりません。集客に多くの時間を割けないのなら、メルカリ Shops がおすすめです。
出品画面や取引画面などはメルカリのものとよく似ているため、普段からメルカリを使っている人なら違和感なく操作ができます。一般的なネットショップでは、開設後の管理画面にさまざまな項目が表示されるため、使いこなすのにはそれなりの時間を要します。「できることが多い」ということは、「それほど多くの機能を持つ」とも解釈できますが、そもそも多くの機能を必要としていないなら、シンプルな操作で出品できるメルカリ Shops でも十分でしょう。
BASE と同じで、メルカリ Shops も特定商取引法の非公開設定と、匿名配送の両方に対応しています。この 2 つを併用すれば自宅の住所や電話番号を公開することなく販売ができるので、「プライベートな情報を教えたくない」というハンドメイド作家さんは、メルカリ Shops が向いています。
メルカリ Shops の注意点は、商品が売れたときの手数料が高額であること。STORES の 5% に比べると倍も高くなっています。利益率の低い価格で出品してしまうと、販売手数料が利益を圧迫し、次第に運営が苦しくなります。ライバル店が多く出店するモール型では価格競争が起こりやすいので、「価格」で勝負するのではなく、「商品力」で勝負し、しっかりと利益の出る値段で売ることが大切です。
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メルカリショップスの出店手順と編集方法【5分で完了】
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まとめ
個人のハンドメイド作家さんでも気軽にはじめられる、初期費用も月額料金も無料の人気ネットショップ作成サービスは次の 4 社。手数料などの基本情報をまとめたので比較してみてください。
プラン | BASE スタンダード |
STORES フリー |
カラーミーショップ フリー |
メルカリShops |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
決済手数料 販売手数料 |
3.6% ~ + 40円 | 5% | 6.6%+33円 | 10% |
サービス利用料 | 3% | - | - | - |
振込手数料 | 250円 | 275円 | 決済代行会社の 契約内容による |
200円 |
お急ぎ振込手数料 スピードキャッシュ |
申請金額の1.5% | 売上の3.5% | - | - |
事務手数料 | 申請額2万円未満 500円 |
入金額1万円未満 275円 |
- | - |
入金サイクル | 申請日から10営業日後 | 月末締め 翌月末払い |
決済代行会社の 契約内容による |
月末締め 翌月10日払い |
サービス選びで知っておきたい違いは次の表の通り。
プラン | BASE | STORES | カラーミーショップ | メルカリShops |
種類 | ASP型 | ASP型 | ASP型 | モール型 |
手数料 | 3.6% ~ + 40円 + 3% | 5 % | 6.6% + 33円 | 10 % |
集客力 | ○ 集客機能が多くアプリでも集客できる |
× 集客機能が少ない |
△ 集客機能は多いものの有料 |
○ 利用者の多いメルカリ内に商品掲載できる |
匿名性 | ○ 特商法の表記を非公開にできる。匿名配送にも対応 |
△ 特商法の表記を非公開にできる |
△ 特商法の表記を非公開にできるが、有料プランは使えない |
○ 特商法の表記を非公開にできる。匿名配送にも対応 |
ネットショップは作って終わりではありません。オープンしてからがスタートライン。深く考えずにサービスを選んでしまうと、運営途中で手数料の高さや機能不足で悩まされることがあります。そんなことにならないよう、この記事でご紹介した各社の違いを参考に、ぜひ、後悔のないサービスでネットショップ運営をはじめてくださいね。
ネットショップ作成は「BASE」
ネットショップを作成するなら
開設実績 6 年連続 No.1 の「BASE」。
無料プランでも充実の機能数。
匿名配送で安心発送。
集客にも強くて頼もしい。