ハンドメイド作品を実際に撮影すると、「イメージどおりの色味にならない」「なぜか思ったよりも暗く写ってしまう」「どことなく違和感が出てしまう」など、原因はハッキリとは分からないけれど、明らかに失敗したと気が付くことがあります。
こういった "失敗写真のモヤモヤ" には、必ず原因があります。
この記事では、撮影初心者が見落としがちな、失敗写真を量産してしまう10の原因をご紹介しています。これらに気を付けながら練習を積み重ねることで、思い通りの写真が撮れるようになります。「努力しているのに、なかなか写真が上達しない」と悩むハンドメイド作家さんは、ぜひ最後まで読み進めてください。
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ハンドメイド作品の写真をスマホでセンス良く撮影するテクニック
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1. 部屋の照明が点いてる
ハンドメイド作品を室内で撮影する際、作品がきちんと見えるように「光」をあてる必要があります。光をあてる方法は、撮影用の「照明機材」を使う方法と、「自然光(太陽の光)」を利用する方法の大きく2つに分けられますが、いずれの方法も部屋の照明は完全に消しておきます。
部屋の照明が点いたまま撮影すると、カメラを構える自分の手の影が写り込んでしまうことが多く、位置取りがとても難しくなってしまいます。作品自体にも余計な影ができ、肝心の質感や色合いが確認できなくなります。
照明によっては青味がかったり、黄味がかったりと、写真の色味が偏ってしまうことがあります。こうなると作品本来の色が伝わりにくくなってしまいます。
こういった理由があるため、ハンドメイド作品を撮影するときは、部屋全体または撮影する周辺の照明を落とすことを習慣づけましょう。
2. レンズが汚れてる
意外と見落としがちなのが、カメラのレンズの汚れ。レンズが汚れたまま撮影すると、モヤがかかったような写真になってしまいます。ピントも合わなくなります。
撮影前はレンズが汚れていないかを確認し、手の脂やハンドクリームなどで汚れていたら、布や衣類でキレイに拭いてから撮影しましょう。
3. カメラを体の正面で構えてない
撮影するときは、必ずカメラを体の正面に構え、ハンドメイド作品と正対するようにします。作品に正対せず手を伸ばして撮ろうとすると、画面がよく見えないため、水平垂直が傾いたり、構図のバランスが悪い写真になるからです。
作品に正対して構えることで、画面をしっかり確認しながら撮影ができます。このとき、両脇をしっかりと締め、両手でスマホを構えると手ブレを防げます。肘をついたり、壁に寄りかかって支えるのも効果的。
もし斜めに撮影したいのなら、カメラを傾けるのではなく、作品の角度や自分の立ち位置を変えましょう。
余裕があれば、スマホ用の三脚を買うのもおすすめ。三脚があれば両手が自由になり、カメラや作品のセッティングに集中できます。いずれは必要になる撮影機材の 1つですので、持っていない方は早めに用意しておきましょう。
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4. ピントが合っていない
ピントとは、カメラのレンズにおける焦点のこと。ピントが合っている場所はくっきりと写り、合っていない場所はボケて写ります。また、ピントが合っている位置の周辺は はっきり写り、遠くなるほどボケて写る、といった特徴があります。
スマホのカメラはオートでもピントは合いますが、必ずしもハンドメイド作品にピントが合うとは限りません。もし、背景や撮影小物にピントが合ってしまうと、肝心の作品がピンボケしてしまいます。
ピントが合っていないと、模様・色・質感といった商品情報をお客様に正確に伝えることができなくなります。撮影時は「画面をタップして作品にピントを合わせてからシャッターを押す」という動作を習慣づけましょう。
ピントが合わないときは、作品とカメラの距離が近すぎるのかもしれません。カメラ(レンズ)によって被写体までの最短で撮影できる距離は異なります。カメラと作品の距離をあけて撮影しましょう。
一度、ピントを合わせた後に距離や構図を変えると、ピントが外れてしまいます。その場合はピントを合わせ直してから撮影してください。
撮影後は、ピントが合っているかもチェック。スマホの画面サイズでは、ピンボケしていてもピントが合っているように見えてしまうことがあります。撮影した写真はピンチアウト操作で拡大し、本当にピントが合っているかをチェックしておくと安心です。
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5. 水平垂直が傾いている
カメラをしっかり構えていても、シャッターを押す瞬間に ほんの少しだけカメラが傾いてしまうことがあります。カメラの水平垂直が 1度でも傾くと、空間に違和感が出て不安定な印象の写真になってしまいます。
カメラの傾きを防ぐには、「グリッド」を表示させておくのが便利。
「グリッド」とは、カメラのプレビュー画面(撮影画面)に引かれた補助線のこと。グリッドを有効にすると、 タテとヨコに2本ずつ補助線が引かれます。この補助線を参考にしながら撮影することで、水平垂直が整いやすくなります。
iPhone の場合、グリッドを表示させた状態でカメラを真下に向けると、画面中央に白色と黄色の十字マーク(十字ポインタ)が表示されます。
この2色の十字マークが重なる(黄色い十字マークのみ表示される)と、iPhone が水平になっているという目印になります。作品を真上から撮影するときは、この十字マークを目印にすると、水平を整いやすくなります。
なお、多少の傾きなら「補正」でリカバーできます。撮影後に水平垂直の傾きに気付いたら、補正で構図を整えましょう。
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6. 作品の形が歪んで写ってる
カメラの「傾き」と同時に気を付けたいのが、写真の「歪み」。
一般的なスマホのカメラは広角レンズ(広い範囲を撮影できるレンズ)が搭載されており、被写体に近づいて撮影すると、レンズから遠い場所になるほど引き伸ばされたように写ってしまいます。これを写真の「歪み」といいます。
たとえば、角柱の商品を斜め上からのアングルで撮影すると、上部が広がり、下部がすぼんでいるように見えます。実際とは違って見えてしまうので、被写体の形を正しく伝えられませんよね。
ハンドメイド作品の写真撮影においてもっとも基本的なことは、作品の形状を忠実に捉えること。なるべく歪みがないように撮影しましょう。
写真の歪みは、「水平アングル(真正面)」か「真俯瞰(真上)」で撮影することで軽減されます。ハンドメイド作品の中心とレンズの中心が一致するように構えると、作品の形が歪まず、目で見たままの自然な姿で写ります。
斜め上からのアングル(斜俯瞰)で撮影したい場合は、「望遠レンズ」を使うことで歪みを軽減できます。望遠レンズが搭載されていないスマホで撮るときは、やや引きで撮影してから「デジタルズーム」を使うことで歪みを軽減できます。
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7. 全体的に暗い
ハンドメイド作品を撮影するときは、なるべく明るい写真を撮りましょう。全体的に暗く写ってしまうと、ハンドメイド作品の色味・形状・質感が正しく伝わらないからです。雰囲気まで暗くなってしまい、作品そのものの魅力も半減してしまいます。
写真が暗く写ってしまう原因は、
- 光量が足りていない
- 自分の影で暗くなっている
- カメラが自動で暗くしている
などが考えられます。
光量に関しては、晴天か明るい曇天の日の午前中に、自然光が入る窓際で撮ることでクリアできます。このとき、自分の影で暗くなってしまわないよう光の向きに注意しましょう。作品に対して正面から光をあてると自分が影になってしまうので、横から光をあてて撮るのがおすすめです。
白っぽい作品は、自然光で撮影しても暗く写ってしまうことがあります。これは、画面全体が白いため、カメラが「明るい」と判断して自動で暗く調整していることが原因です。そんなときは、撮影時に明るさを調整したり、補正で実際の明るさになるようにリカバーしましょう。
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8. 背景に余計なものが写っている
ハンドメイド作品を撮影したあとに気が付くのが、余計なものの写りこみ。本来は写ってほしくないものが写ってしまうと、また撮り直さなくてはなりません。
よくあるのが、髪の毛やホコリといった小さなゴミが背景に写っていたり、自分の影や撮影ブースの周りに置いてある物の影が写りこんでいるケース。
撮影に集中していると、ハンドメイド作品だけに注意が向き、四隅にある小さなゴミや薄い影に気が付かないことがあります。シャッターを切る前に、写真の余白に不要なものが入っていないか確認するクセをつけましょう。
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9. 見せたい部分が影になってる
ハンドメイド作品に角度をつけて撮影する場合は、見せたい部分に光があたっているかを確認しましょう。全体的に光があたり、明るく撮影できていたとしても、見せたい部分が影になっていると、重要な部分のディテールが伝わりにくくなってしまいます。
見せたい部分を明るく撮影するには、光のあて方を工夫します。見せたい部分に正面から光があたるように、作品の置き方(向き)を少しずつ動かして、光のあたり具合を観察してみましょう。
影になる部分が暗すぎる場合は、レフ板を用いて影側を明るく照らします。レフ板は身近な材料でつくれるので、もし持っていなかったら作ってみましょう。
それでも暗く写ってしまうときは、撮影場所を変えてみてください。
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10. 過度な補正・加工
スマホで撮った写真は、加工アプリで補正ができます。撮影に少しくらい失敗しても、補正することでリカバーができます。
補正は便利な機能ですが、行き過ぎるとトラブルに発展します。印象を良くしたいがために、実際の色味よりも鮮やかに加工すると、実物を見たお客様から「写真と色が全然 違う」といったクレームが入ります。直接クレームが入らなくても、低評価につながります。
あくまで実物に近づけたり、イメージどおりの明るさに仕上げる手段として補正を活用しましょう。
加工アプリをつかって写真にブランド名などをクレジットとして表記する場合は、肝心のハンドメイド作品が見えづらくならないように注意しましょう。
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まとめ
普段、風景や人物といった写真撮影に慣れていても、商品を撮影する「物撮り(ぶつどり)」は、ハンドメイド作品の販売をスタートさせてから、はじめて取り組む方も多いはず。物撮りの経験がない以上、思うように撮影ができなくて当然です。
でも、「経験がないから」と諦めるわけにはいきません。ネット販売において写真のクオリティは売り上げに直結するので、商品価値を高めるような写真が撮れるようになる必要があります。
この記事でご紹介した初歩的なミスに気を付けながら、毎日 練習を繰り返すことで、確実に撮影テクニックは向上します。写真が上手く撮れるようになると、撮影の時間がたのしくなるので、ぜひ あきらめずに練習してみてくださいね。
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