書店に並んでいるハンドメイド関連の本。アクセサリーや洋服、雑貨などの作り方や作品例が豊富に載っているので参考になりますよね。
ところで、この本に掲載されている作品は、その作り方を参考にしてそのまま「minne」や「Creema」などで販売しても大丈夫なのでしょうか?
違法となってしまっては怖いのできちんと調べてみました。同じように疑問に思っている方はご参考に。
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本の掲載作品をマネして売るのは違法
基本的に、ハンドメイドの本(書籍・雑誌)に掲載されている作品を無断でマネして販売するのは避けましょう。
本に下記のような記載があるのにそれを無視すると、著作権法に違反する可能性があります。
本書の写真、カット、図版等、内容の無断転載を禁じます。本書に掲載した作品は、個人で楽しんでいただくことを前提に制作しております。掲載作品もしくは類似品の全部または一部を商品化するなどし、販売等することは、その手段・目的に関わらずお断りしております。営利目的以外の販売等や作品展などへの出品についても同様です。あらかじめ、ご了承ください。
上記の記載がある場合、作って自分で使うのであれば違法ではありません。でも、商用利用するのは違法。色や形を少しだけ変えるなど、ちょっと手を加えた程度もダメです。
著作権については『こんな作品は違法!ハンドメイド販売で知っておきたい著作権について』で詳しく解説していますので、一度目を通しておくと良いでしょう。
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こんな作品は違法!ハンドメイド販売で知っておきたい著作権について
ハンドメイド作品を販売するなら知っておきたい「著作権」の概要や、権利侵害となる作品の例、販売できる作品の例をご紹介。
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ハンドメイドマーケットでも禁止している
「商用での使用は禁止」と本に記載されている場合、ハンドメイドマーケットでも販売できないと定めています。
minneの場合
minneのよくある質問には、「市販されている書籍を参考にして制作した作品は販売しても良いですか?」という問いに対して、「書籍内で「商用での使用は禁止」等の注意事項が記載されている場合、販売・展示はできません。」と回答があります。
書籍を参考して作られた作品の販売・展示につきましては、書籍の規定に従う形で販売・展示のご判断をお願いしています。書籍内で「商用での使用は禁止」等の注意事項が記載されている場合、販売・展示はできません。
書籍の記載で確認できない場合には、お客様ご自身で書籍の発行元にお問い合わせいただきご確認ください。出典:minneよくある質問
Creemaの場合
Creemaの販売ガイドには、「書籍を参考にした作品は販売できますか?」という問いに対して、「「商用での使用は禁止」等の注意事項が記載されている場合、販売はできません。」と回答があります。
市販の書籍を参考して作られた作品の販売につきましては、書籍の規定に従ってご判断ください。
※「商用での使用は禁止」等の注意事項が記載されている場合、販売はできません。クリーマ事務局では判断できかねますので、
書籍内での記載が確認できない場合には、ご自身で書籍発行元にへお問い合わせください。出典:Creema help
minneもCreemaも、「商用での使用は禁止」等の注意事項が記載されている場合、販売・展示はできないとしていますが、基本的に、この記載があってもなくても販売しないほうが良いでしょう。
販売時に気を付けたいことは他にもあります。『あなたは大丈夫?ハンドメイド販売でやってはいけない10の禁止行為』でもご紹介していますので、そちらもご参考に。
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ハンドメイド作品の販売時に気を付けるべき「やってしまいがちな禁止行為」を10項目ご紹介!ハンドメイド販売をはじめたばかりの初心者さんはもちろん、販売に慣れているハンドメイド作家さんも初心に帰ってチェックしてみてください。
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本を見て作って売っても許されるケースは?
次のような場合、本を見て作って売っても著作権の侵害とはなりません。
- 「商用利用可」の記載がある
- 基本的な技術を参考にする
- 本を参考にオリジナルを生み出す
「商用利用可」の記載がある
まれに、「商用利用可」「著作権フリー」というハンドメイドの本があります。このような本は、掲載されている作品をマネして販売することが前提となっているため、著作権に引っ掛からずに作って販売ができます。
例として、『著作権フリーの作って売れるかわいい布こもの 』という書籍は商用利用可となっています。バッグ・ポーチ・インテリア雑貨・ベビー小物を販売したい方はこの本をご参考にしてみてください。
基本的な技術を参考にする
前述した通り、本に掲載されている「作品」をマネして販売すると違法です。でも、「基本的な技術」をマネするのは問題ありません。
基本的な技術とは、一般的に知られている着色方法・縫い方・パーツの加工方法などです。ただし、その本の著者が考えた、独自性のある技術はマネできません。たとえば、その作家が考えた特殊な縫い方や加工方法などが該当します。
本を参考にオリジナルを生み出す
本に掲載されている作品をそっくりそのままマネするのは著作権の侵害でも、そこからインスピレーションを得て、まったく別のオリジナル作品を生み出せば大丈夫です。
まとめ
ハンドメイドの本は、個人的に楽しむ場合ことを前提に作り方や作品を掲載しています。ですので、個人の範囲を超えて製作・販売すると著作権の侵害となります。
ハンドメイド作品を販売するなら、何かのマネではないオリジナルを考えましょう。
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この記事を書いた人
ハンドメイド作家 みき