「ハンドメイド作品を販売したい」と思ったら、どのような形で販売していくのかを決めましょう。
ハンドメイド作品の販売方法はさまざまありますが、大きく分けると「インターネット販売」「委託販売」「イベント出店」の3つ。販売すると決めたら、この中から、自分に合った販路を選択することとなります。
販売方法を選ぶときのポイントは、それぞれのメリット・デメリットをきちんと把握しておくこと。そのうえで、自分に合った販売方法を選ぶことが、長く続ける秘訣です。
この記事では、「インターネット販売」「委託販売」「イベント出店」のメリット・デメリットを踏まえたうえで、それぞれ、どんな人に向いてる販売方法なのかをご紹介しています。自分の現状と照らし合わせて、どの販売方法がもっとも適しているかの判断材料にしてください。
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【販路別】ハンドメイド販売の始め方
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ハンドメイド作品の販売方法
個人によるハンドメイド作品の売買が活発になった現在、その販路は実にさまざま。
手軽な販売方法として支持を集めているのが、ハンドメイドマーケットやフリマアプリへの出品ですが、手段はそれだけではありません。販売に慣れてくると、新たな販路として、ネットショップを開設して販売する方もいます。
自力で販売するのが難しい場合は、雑貨店やカフェに作品を置かせてもらい、接客や販売をお店にお任せするハンドメイド作家さんもいます。「お客様やほかのハンドメイド作家さんと交流したい」と考える人は、ハンドメイドマーケットなどが主催となって開催するイベントにブース出店をします。
このように、ハンドメイド作品の販売方法はさまざまですが、大きく分けると次の3つになります。
「販売する」と決めたら、この中から、自分に合った方法を選択することとなります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、まずは、特徴の違いをしっかり理解しましょう。
インターネットで販売する
ハンドメイド作品の販売方法で、もっとも手軽なのがインターネットを利用すること。無料で出品できるものもあり、出品・販売・発送・集金の一連のサイクルが自宅で完結します。
インターネット販売の例
- ハンドメイドマーケットへの出品(minne,Creemaなど)
- フリマアプリへの出品(メルカリ,ペイペイフリマなど)
- ネットショップ開設(BASE,STORESなど)
- モール型ECサイトへの出品(Amazon,楽天など)
インターネットで販売する方法は多様化しています。いずれもインターネットを使用して販売するので差がないように見えますが、集客力や運用コストがまったく異なります。インターネットで販売しようと思ったら、どのサービスを利用するか、慎重に決めましょう。
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インターネット販売のメリット
- 自宅で販売から集金までが完結する
- 低コストで運用できる
- 運営会社が決済を代行してくれる
- 少ない商品数で出品できる
- 万引きや紛失トラブルがない
ハンドメイドマーケットやフリマアプリは、出品だけなら無料で、成約時に手数料が引かれるシステムです。売れるまでは手数料が取られないので、初心者でも安心して販売ができます。ネットショップやモール型ECサイトは有料となることもありますが、それでも委託販売やイベント出店に比べると低コストではじめられます。
決済については、運営会社が代行してくれます。そのための手数料が取らるものの、相手の連絡先を教えなくて済むので、お互いが安心して取引できます。また、商品数をたくさん用意する必要がなく、万引きや紛失など、物理的なトラブルがないのもインターネット販売のいいところ。
インターネット販売のデメリット
- 売上振込に時間がかかる
- 規定額以上に達しないと支払いが繰り越される
- 取引の連絡や発送をすべて自分が対応する
- 集客に力を入れる必要がある
取引金額が増えてくると気になるのが入金サイクル。各サービスごとにそれぞれ締め日は異なりますが、無料で利用できるサービスは入金が遅い傾向にあります。サービスによっては、振込申請をするには「売上金 ○○円以上」などと規定額を設けており、それが不便に感じることも。
お客様からの問い合わせも、すべて自分で対応しなければなりません。インターネット販売は、お客様が24時間365日、いつでも問い合わせや注文ができます。夜間を問わず取引の連絡が入ることもあるので、それが負担に感じることもあるでしょう。
また、ハンドメイド作品の発送時には梱包材を使用するため、それらを調達する時間とコストもかかります。
委託販売をする
委託販売とは、お店に自分のハンドメイド作品を置かせてもらい、接客・販売業務をお店の人にお願いする販売方法です。
委託先の例
- 雑貨店
- カフェ
- 美容室
- ハンドメイド専門のレンタルボックス
ハンドメイド作品を委託販売できる場所は、全国的に増えてきます。委託先として有名なのが、全国展開しているハンドメイド専門のレンタルボックス(展示・販売できるスペース)。興味のある方は、「ハンドメイド + レンタルボックス」で検索して、条件などを確認すると良いでしょう。
近所にある個人の雑貨店やカフェでも、委託をお願いすればハンドメイド作品を置いてもらえることがあります。気になるお店があれば、委託販売できるかの連絡をしてみましょう。
委託販売のメリット
- 販売・接客・ラッピングをお店に任せられる
- お客様に実物を見てもらえる
- お店との相性がよければ宣伝効果を期待できる
委託販売の最大のメリットは、販売からその先の業務までをお店の人に任せられること。自分は製作に専念できます。
お客様に「実物を見る機会」を提供できるのも、委託販売のいいところ。実際に手に取って、サイズ感や質感を見て、納得してから買ってもらえます。
お店との関係が深まると、自分の作品をプッシュしてくれることもあります。そうなると、新規顧客の獲得につながります。
委託販売のデメリット
- 委託料が高い
- 出品するための審査がある
- お店のルールに従う必要がある
- 盗難や紛失のリスクがある
委託販売は、販売・接客業務を任せる代わりに、お店に対価(委託料)を支払います。委託料は30~50%ほどかかることが多く、インターネット販売に比べるとかなり高め。場合によってはスペース料(場所代)なども発生します。
委託販売をお願いするには審査があり、そのお店の雰囲気に合っているか?一定以上のクオリティがあるか?などを見られます。お店によっては、「ほかの商品と価格帯をそろえたい」などの要望があったり、独自のルールに沿わなければならないことも。
また、お店に置いてもらうということは、盗難や破損・汚損、紛失などのリスクも少なからずあります。そんなトラブルに見舞われたときの責任の所在についても、事前に確認しておく必要があります。
イベントに出店する
イベント出店とは、たくさんの販売者が集まるイベントに、自分の販売スペースを提供してもらい、お客様と直接 お金のやり取りを行う販売方法のこと。
イベントの例
- デザインフェスタ
- 日本ホビーショー
- ハンドメイドインジャパンフェス
- ヨコハマハンドメイドマルシェ
イベントの規模は、大手ハンドメイドマーケットが企画した数万規模のものから、雑貨屋が主催の小規模なものまでさまざま。近所でも開催している可能性があるので、探してみると良いでしょう。
イベント出店のメリット
- お客様の生の声が聞ける
- 作品を見てもらい、その魅力を自分で伝えられる
- ハンドメイド作家さんと交流できる
イベント出店の最大のメリットは、お客様と直接 話せること。実際に商品を手にとってもらい、自分の作品の魅力を、自分の言葉で伝えることができ、その反応を直に見れるのはイベント出店ならでは。
ハンドメイド作家さんとの交流も盛んで、情報収集や意見交換ができます。何度か参加していると仲間意識ができ、悩みや相談ごともできるようになるかもしれません。お客様やほかの作家さんと直接 交流したい人には、得るものが大きい販売方法です。
イベント出店のデメリット
- 接客スキルが問われる
- 参加費が高い
- 什器や交通費などのコストがかかる
- 当日までに一定の作品数を用意する
イベント出店でハンドメイド作品を売るためには、自分の作品の魅力をうまく伝える技術が求められます。接客業を経験したことがない、人と話すことが苦手、という人にはハードルが高いかもしれません。
イベントへの参加費も、決して安くはありません。参加費だけではなく、会場までの交通費や食事代、場合によっては宿泊費もかかります。イスやテーブル、ディスプレイ用の什器がないなら、すべて自分で購入しておくか、当日にレンタルしなければなりません。イベント出店では、こういったさまざまな費用がかかります。
また、展示する作品数が少ないとブースの見栄えが悪いので、ボリュームを出すために、ある程度の在庫数を用意しなければならないのも、イベント出店の大変なところ。
自分にあった販売方法の選び方
ハンドメイド作品の販売方法は、主に「インターネット販売」「委託販売」「イベント出店」の3つ。どれか1つに絞る必要はありませんが、活動の幅を広げ過ぎると手に負えなくなります。慣れないうちは、自分にもっとも合っていると感じる販売方法に絞って活動していくのが賢い選択と言えます。
ここからは、前述のメリット・デメリットを踏まえて、「インターネット販売」「委託販売」「イベント出店」の3つの販売方法が、それぞれどんな人に向いているのか?を整理したものをご紹介していきます。販売方法選びのご参考にしてください。
インターネット販売が向いてる人
インターネット販売は、次のような人におすすめの販売方法です。
- 少ない資金で販売をはじめたい
- 情報発信が得意
少ない資金で販売をはじめたい
インターネット販売は無料で出品できるサービスが多く、成約時の手数料は10%前後とかなり良心的。有料のサービスであっても、月額 数千円からはじめられます。
委託販売のように高い手数料を取られませんし、イベント出店にある高額な参加費が発生しません。リスクを最小限におさえて販売をはじめたい人にはインターネット販売がおすすめです。
情報発信が得意
インターネット販売においては、売り手がインターネットを使って積極的に情報発信をすることが重要です。これは他の販売方法にも言えることですが、とりわけ売り手の顔が見えないインターネット販売においては、自分の作品の存在をアピールし、その価値を効果的に伝えなければ、まず売れることがないからです。
そのため、ブログやSNSと連携させた定期的な情報発信が必要不可欠となります。インターネットを使っての情報発信に苦手意識がある人は、考え直した方が良いかもしれません。
委託販売が向いてる人
委託販売は、次のような人におすすめの販売方法です。
- 製作以外の時間がとれない
- ビジネスマナーがある
製作以外の時間がとれない
委託販売は、販売や接客をすべてお店 任せにできます。その代わりに対価(委託料)を支払うため、インターネット販売に比べて手元に残るお金は少なくなります。ただ、自分の時間はしっかり確保できるので、仕事や子育てに忙しい人にはピッタリの販売方法と言えます。
ビジネスマナーがある
委託販売をしようと決めたら、お店に作品を置いてもらうように交渉をします。交渉が成立し、お店との取引がはじまると、期日までに商品を納める、納品書や請求書を不備なくそろえるなど、さまざまな作業が発生します。このような一連のやり取りには、常識的なビジネスマナーが必要です。非常識な人だと思われてしまうと、お店との信頼関係を築くことが難しくなり、結果的にお店の対応も悪くなるからです。
ビジネスマナーをもってお店と取引する自信がないなら、委託販売には一考が必要かもしれません。
イベント出店が向いてる人
イベント出店は、次のような人におすすめの販売方法です。
- お客様に直接 販売したい
- コミュニケーションが得意
お客様に直接 販売したい
イベント出店では、お客様と対面で販売ができます。ダイレクトにお客様の生の声を聞いたり、要望や好みなどを探ったりができます。この点が、相手の顔が見えないインターネット販売や、他人に接客をお願いする委託販売と明らかに違うところ。お客様との会話を通して、自分の作品の価値を確かめたい人には、イベント出店がおすすめです。
コミュニケーションが得意
「接客が苦手」「人と話すことが得意ではない」といった人がイベントに出店してしまうと、お客様とうまく会話できなかったり、ほかの作家さんと一切 交流せずに終わってしまうことがあります。こうなると、時間をかけて準備した苦労が、すべて水の泡。高い参加費を払う意味もなくなります。
「コミュニケーションには自信がある」という人には得られるものが大きいと思いますが、そうでないなら、無理をして参加する必要はありません。
まとめ
ハンドメイド作品の販売方法は、大きく分けると「インターネット販売」「委託販売」「イベント出店」の3つがあります。
どの販売方法にも、メリット・デメリットはあります。メリットばかりに目を向けるのではなく、デメリットもきちんと把握したうえで判断することが、正しい販売方法の選び方と言えます。この記事でご紹介した内容を踏まえて、自分に合った販売方法を選択しましょう。
また、販売方法は1つに絞る必要はありません。自分の能力や使える時間、目標にあわせて活動の幅を広げるのも良いかもしれません。ただし、活動の幅を広げ過ぎて、エネルギーを分散させてしまうのだけは避けてください。
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