趣味でつくった手作り品(手芸品)を家族や友だちに見せると、「既製品みたい」「手作りだとは思えない」と褒められることがあります。それがきっかけで「大好きな手芸スキルを活かして、ハンドメイド作家になりたい!」と考える人も多いのではないでしょうか?
でも、実際に「ハンドメイド作家になるには?」と考えると、疑問もたくさん出てきますよね。
結論から言うと、ハンドメイド作家になるために、特別な資格は必要ありません。あなたの手芸品を誰かに買ってもらったら、そのときから「ハンドメイド作家」です(もっと詳しく)。
この記事では、ハンドメイド作家になるための具体的なプロセスのほか、ハンドメイドを「趣味」で終わらせるのではなく、「仕事」として長く続けていくために大切なことをお伝えします。ハンドメイドを仕事にしたいとお考えの方は、ぜひご参考にしてください。
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ハンドメイド作家とは
「ハンドメイド」とは、手芸のこと。そして、「ハンドメイド作家」とは、得意な手芸を仕事にする者または職業としていない者でも専門家として認められた者を指します。
ハンドメイド作家という言葉を広くとらえると、手芸教室の講師なども含まれますが、ここでは、ハンドメイド作品をつくって売る人のことをハンドメイド作家と定義します。わかりやすい例で言うと、minne(ミンネ)などのハンドメイドマーケットで、ハンドメイド作品の販売を本職・副業とする人のことをハンドメイド作家と呼びます。
どうすれば、ハンドメイド作家になれる?
「ハンドメイド作家」になるために、特別な資格はいりません。自分のつくったハンドメイド作品に買い手がつけば、そのときから、あなたもハンドメイド作家と名乗ることができます。
資格は必要?
「ハンドメイド作家」と名乗るために必要な資格はありません。
たとえば、通信講座で資格を取ったり、専門学校や手芸教室にかよって専門知識を学ぶ必要はないのです。もちろん、資格や専門知識があったほうがいいこともありますが、それよりも大切なのは、「仕事」「プロ」としての意識をもってハンドメイド作家として活動すること。
また、特別なハンドメイド作品や権利侵害する恐れがない限り、販売のための許可を得る必要もありません。
ハンドメイド作家になるプロセス
ハンドメイド作家になるための具体的なプロセスは次のとおり。
詳しくご紹介していきます。
1. ハンドメイド作品をつくる
ハンドメイド作家になるには、自分でつくったハンドメイド作品を売る必要があります。まずは、お客様に喜んでもらうようなハンドメイド作品を用意しましょう。
ハンドメイド作品をつくるときに大切なのが、「趣味」の延長としてではなく、「仕事」としての意識をもって取り組むこと。自分のつくりたい物を自由 気ままにつくっているようでは、仕事として長く続きません。お客様に価値を認めてもらえる商品をつくりましょう。これについては『仕事にするために大切なこと』で詳しく解説しています。
2. 作品を公開(出品)する
ハンドメイド作品を用意したら、それを世間(市場)に公開します。だれかに買ってもらうには、大勢の目に触れるように発表する必要があるのです。
インターネットが発達した現代では、作品を発表する場もさまざま。「minne(ミンネ)」をはじめとしたハンドメイドマーケットに出品したり、SNSや自分のホームページへの公開、ネットショップで販売する手段も考えられますね。インターネット以外だと、販売イベントへの出店、委託販売などもあります。
さまざまな場で公開できるので、自分にあった方法を選択しましょう。
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3. お客様に買ってもらう
自分のハンドメイド作品を世に送りだして買い手がつくと、あなたはもう「ハンドメイド作家」の仲間入り。お客様からお金を受け取っているので、それは「仕事」として成立しているのです。「趣味でつくってるだけ」「友人にプレゼントして喜んでもらってる」のとは訳が違います。
逆に、手芸歴がどれだけ長くても、どれだけ上手につくれても、1つも売れなければ「仕事」とは言えないので、ハンドメイド作家とは名乗れません。ハンドメイド作家になるには、自分のハンドメイド作品が1つでも売れるような努力が必要です。
仕事にするために大切なこと
ハンドメイド作品がはじめて売れた瞬間から、ハンドメイド作家としての第一歩がはじまります。
つくったものを売ってお金をもらっているので、もう「趣味」ではありません。「仕事」としての責任感をもって取り組まなければなりません。そのために、まずは趣味と仕事の違いを理解しましょう。
「趣味」と「仕事」の違いを理解する
趣味と仕事の違いは、「相手からお金をもらうか否か」にあります。
趣味でつくったものを、家族や友だちにプレゼントするのは趣味。タダでプレゼントするので、作品に対しての責任感が伴いません。これに対して、つくった物を売ってお金をもらうのが仕事です。相手からお金をもらうので、それに見合うだけの価値や責任感が伴います。
「相手からお金をもらうか」「責任感が伴うか」によって、ハンドメイドに対する考え方も、趣味と仕事ではまったく異なります。
趣味のハンドメイド
趣味でハンドメイドをしている方は、次のようなことを意識しています。
- 自分の作りたいものをつくる
- 自分が納得できる完成度を求める
- 材料費や製作時間は気にしない
- 楽しくつくることに重きを置く
もっと分かりやすく言うと、「自己満足」です。作りたい物を、作りたいときに、作りたい数だけつくるのが趣味のハンドメイドです。
仕事のハンドメイド
一方で、仕事としてハンドメイド作品をつくっている方は、以下のようなことを意識しています。
- ニーズのあるものをつくる
- 自分はもちろん、相手も納得できる完成度を求める
- 製品としての強度・安全性を考慮する
- 材料費や製作時間はきちんと管理(計算)する
- 明確な目標やビジネスマインドをもつ
自分が楽しむためにつくるというよりも、お客様に満足してもらうためにつくります。そのために、お客様のニーズに応えられる商品を、計画的に供給するのが仕事としてのハンドメイドです。
仕事として長く続けるには?
趣味でつくるハンドメイドと、売るため(仕事)のハンドメイドはまったく違います。趣味からはじめたハンドメイドであっても、相手からお金をもらうなら、自分が「プロ」だという責任感をもちましょう。
初心者のハンドメイド作家さんがすぐに挫折してしまう理由のひとつに、趣味の感覚が抜けないことが挙げられます。「ニーズがないのに、つくりたい物を売る」「労力に見合わない値段で販売する(安売り)」など、無計画に販売しても長くは続きません。はじめのうちは売れたとしても、すぐに限界がきます。
家族や友だちではなく、あなたのことをまったく知らないお客様に販売するためには、お金を払ってでもほしい!と思われるような価値が必要です。そのために、どんな商品が求められているか?を研究する姿勢が欠かせません。それと同時に、計画性も大事です。仕事というのは、無計画に進めると、必ず無理が生じますよね。
趣味の延長ではなく、仕事として長く続けたいのなら、自分が楽しむためにつくるという感覚から、お客様を満足させるためにつくるという意識に切り替え、計画的に取り組みましょう。
まとめ
ハンドメイド作家とは、得意な手芸を仕事にする職のこと。
ハンドメイド作家になるには、ハンドメイド作品をつくってお客様に1つでも買ってもらうことが必要です。金銭のやり取りが発生しないうちは、「仕事」ではなく「趣味」でしかありません。お客様に買ってもらい、仕事にするためにも、まずは作品(商品)を公開・出品しましょう。
また、ハンドメイド作家という仕事を長く続けるには、プロ意識をもって取り組むことが大切です。趣味の延長として販売するのではなく、お客様に価値を認めてもらい、その期待に応えることで、息の長いハンドメイド作家となるでしょう。
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