ハンドメイド作品を販売するとなると、売上のことを考えて、つい「みんなに喜ばれる作品」をつくりたくなるもの。
でも、継続的に販売したいのであれば、「みんなに喜ばれる作品」ではなく、「こんな人に喜んでほしい」「この人に買ってほしい」とターゲットを絞ることが大切です。万人 受けを狙うと、結局「誰が喜ぶ作品なのか」がはっきりしない、中途半端な作品ができてしまうからです。
では、ターゲットはどうやって設定すればいいのでしょうか。この疑問を解決するために、ターゲットの意味や重要性、設定方法について、ハンドメイド作家の視点でわかりやすく解説します。ハンドメイド作品を継続的に販売したい作家さんは、ぜひご参考にしてください。
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売れるハンドメイド作品を生み出すマーケティングリサーチの手法
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「ターゲット」とは
ターゲットとは、「購入層」のこと。ターゲットを直訳すると「標的」や「的」の意味を持ちますが、マーケティングの世界では、商品・サービスの「想定顧客層」という意味で使われます。これをハンドメイド販売に置き換えると、自分のハンドメイド作品を購入してくれる、架空のお客様像がターゲットだと解釈できます。
ターゲットは、「どんな人に自分のハンドメイド作品を買ってほしいか」を具体的にイメージし、言葉で表現することで明確になります。たとえば、「30代・主婦・都心在住」などとお客様像をイメージし、言葉で表現したものが、あなたのハンドメイド作品のターゲットです。
もし、「どんな人に自分のハンドメイド作品を買ってほしいか」を言葉で表現できないのなら、それはお客様像(ターゲット)がイメージできていない証拠。ターゲットがイメージできていない作品は、誰のための商品かが相手に伝わらず、興味すら持ってもらえません。作品を買ってもらいたいなら、「誰か」という漠然としたイメージから、「こんな人」と的を絞り、その人が買いたくなるような作品を製作しましょう。
「ターゲット」と「ペルソナ」の違い
マーケティングの世界では、「ターゲット」と似たような用語に「ペルソナ」があります。どちらも、お客様を想定するという点では同じ意味を持ちますが、想定する深さ(詳細さ)が異なります。
違いは想定の深さ
「ターゲット」と「ペルソナ」の違いは次の通りです。
- ターゲット:ざっくりとしたお客様像で、人物像に幅を持たせている(抽象的)
- ペルソナ:詳細なお客様像で、代表的な架空の購入者1人を想定する(具体的)
ペルソナは、ターゲットよりも深く、詳細なお客様像です。ターゲットが「30代 女性 主婦」といったざっくりとしたお客様像をイメージするのに対し、ペルソナは「名前は◯◯、年齢は35歳、専業主婦で…」といった具合に、架空の購入者1人をイメージします。
「ターゲット」か「ペルソナ」か
自分がどの深さまでお客様像を想定するか(「ターゲット」か「ペルソナ」か)は、その人の販売スタイルによります。
趣味の延長で販売するのであれば、お客様像を深く考える必要はありません。抽象的なお客様像を想定するだけで十分です。
詳細なお客様像をイメージ(ペルソナを設定)してしまうと、その人物像を意識しすぎてしまい、ハンドメイド作品の製作にプレッシャーを感じることがあります。あくまで趣味として、楽しく販売したいなら、人物像に幅を持たせて、気楽に製作したほうがいいと思います。ですので、趣味の延長で販売しているのであれば、「ターゲット」を設定しましょう(ターゲットの設定方法はコチラ)。
仕事として販売するのであれば、自分が楽しむことよりも、お客様のニーズにあった商品展開をすることの方が大切です。
お客様像が抽象的だと、ターゲットとするお客様の好みや悩みを本当の意味で理解することはできません。お客様の気持ちを理解できなければ、「買いたい」と思う心のトリガーを引くこともできません。お客様が何に悩んでいるか、どんな作品を求めているかといったニーズは、人物像を絞り込むことで明確になります。ですので、ハンドメイド作品を継続的に販売したい(仕事として販売したい)なら、「ペルソナ」を設定しましょう(ペルソナの設定方法はコチラ)。
なぜ、ターゲット(ペルソナ)設定が重要?
ハンドメイド作品を販売するとなると、売上のことを考えて、つい「みんなに喜ばれる作品」をつくりたくなるもの。ですが、すべての人を対象にして、全員のニーズに応えようとすると、あれもこれもとさまざまな要素を詰め込んでしまいます。その結果、「誰のための作品か」が分からない、中途半端なハンドメイド作品になってしまいます。
ハンドメイド作品は、食料品のような生活必需品とは違うので、ただ並べておけば興味をもってもらえる商材ではありません。ターゲットが曖昧で、「誰のための作品か」がはっきりしないと、お客様の心には響かず、数あるハンドメイド作品の中に埋もれてしまうのです。
数あるハンドメイド作品の中から、自分の作品を選んでもらうには、お客様に「これは、自分のための作品だ」と思ってもらわなければなりません。だからこそ、ターゲットを明確にし、その人に対してどんな作品をつくったら「欲しい!」と思ってもらえるかを考えることが重要なのです。
ターゲット(ペルソナ)の設定方法
ターゲットは、自分の販売したい作品を考え、そのお客様を言葉で表現することで決まります。ターゲットが設定できたら、「作品イメージ」と「ターゲットイメージ」が一致しているかを確認しましょう。
販売したい作品を考える
ターゲットを決めるには、まず、自分がどんなハンドメイド作品を販売したいのか考える必要があります。
ターゲットは、自分の販売するハンドメイド作品の購入対象者として、架空の人物を設定していくもの。そのため、販売したい作品のイメージできてないと、お客様像を考えることすらできません。
もし、今の時点で自分の販売したい作品が決まっていないのなら、お客様像をイメージする前に、販売するハンドメイド作品を決めておきましょう。販売する作品が決まったら、次のステップとして、どんなお客様にその作品を届けるのか?といったターゲットを設定していきます。
販売する作品の決め方は、「ハンドメイド作品におけるコンセプトの重要性と決め方」でも触れています。コンセプトが固まっていないと、ターゲットも定まりません。コンセプトについても、ぜひ理解しておきましょう。
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ハンドメイド作品におけるコンセプトの重要性と決め方
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お客様を言葉で表現する
販売したいハンドメイド作品が決まったら、その作品を買ってもらいたいお客様像を明確にしていきます。「誰か」という漠然としたイメージから、「だいたいこんな感じの人に買ってほしい」「この人に買ってほしい!」と、どんどん的を絞っていくのです。
お客様像は、販売したい作品のイメージを客観的にとらえ、そこから、あなたの作品を気に入ってくれそうな人のライフスタイルを想像することで明確になります。
お客様像をどの程度まで想像するかは、ターゲットを設定するか、ペルソナを設定するかで変わります。そのため、ここでは「ターゲットを設定する場合」「ペルソナを設定する場合」にわけて、想定すべき項目をご紹介していきます。
「ターゲット」を設定する場合
ターゲットは購入層のことで、ペルソナに比べると、そのお客様像は抽象的です。「あえて人物像に幅を持たせて、自由に製作したい」というハンドメイド作家さんは、以下の項目に沿ってターゲットを想像し、言葉で表現してみましょう。
- 性別
- 年齢層
- 職業
- 年収
- 住んでいる地域
- 家族構成
ターゲット設定ができたら、「自分の作品イメージ」と「ターゲットのイメージ」が一致しているかを確認していきます。もし、作品とターゲットのイメージがズレているようなら、どちらかの見直しが必要です。ターゲットを見直すか、作品のデザインなどを修正し、双方のイメージを一致させましょう。
「ペルソナ」を設定する場合
ペルソナは、架空の購入者1人を想定するもので、ターゲットに比べると、そのお客様像は具体的でリアリティがあります。「できるだけ詳細なお客様像を想定し、潜在的な欲求を理解したい」と考えるハンドメイド作家さんは、以下の項目に沿ってペルソナを想像し、言葉で表現してみましょう。
- 名前
- 年齢
- 職業
- 年収
- 住んでいる地域
- 家族構成
- 趣味、特技
- よく読む雑誌
- 休日の過ごし方
- 部屋のインテリア
- クローゼットの中
- アクセサリーケースの中
- 服装
- 好きなブランド
- バッグの中身
- 価値観
- 生い立ち
ハンドメイド販売におけるペルソナ設定では、部屋のインテリアやバッグの中身、クローゼット・アクセサリーケースの中などを重点的にイメージを膨らませることが大切。相手のプライベートな空間の中に自分のハンドメイド作品があっても自然で、生活に溶け込んでいるようなら、ペルソナ設定が成功です。違和感を覚えるようなら、ペルソナの見直しや、自分のハンドメイド作品のデザインやコンセプトを考え直し、バランスを整えましょう。
まとめ
ハンドメイド作品を販売するなら、「どんな人が自分の作品を買うのか」「誰のための作品なのか」といったターゲット(お客様像)をきちんとイメージすることが大切です。
ターゲットを明確にイメージしておくと、その人の好みや悩みを理解でき、ニーズに沿った説得力のある奥深い作品を考えることができます。また、「誰に向けてつくるのか」という制作方針を固めると、作品が増えても雑多にならず、素敵なブランドを作り上げられます。
どんな人がお客様になるのか、その人のライフスタイルを言葉で表現して、ターゲットを明確にしましょう。
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