訴えられた事例あり!ハンドメイド販売で著作権侵害となる作品とは?

ハンドメイド作家の似顔絵(通常) ハンドメイド作家みき

2017-10-31

こんな作品は違法!ハンドメイド販売で知っておきたい著作権について

ハンドメイド作品を販売するとき、気を付けたいのが「著作権(ちょさくけん)」。

安易にキャラクターをマネしたり、ブランドロゴを無断使用すると、著作権侵害となり、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金が科されます。実際、著作権を侵害して訴えられた事例もいくつかあります。

お金を稼ぐためにハンドメイド販売をするのに、訴えられたり、罰金を科されては本末転倒ですよね。

そんな失敗をしないためにも、この記事で解説する著作権について正しく理解しましょう。

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動画解説

本記事の内容は動画でも解説しています。

著作権は法律関係のちょっと難しい内容ですので、動画を見てから本記事を読むと、理解しやすいかと思います。ぜひご視聴ください。

著作権とは

著作権のイメージ

まずは、「著作権」という権利について理解するところからはじめましょう。

著作権とは、自分のアイデアや気持ちを作品として表現したものを、他の人に盗まれないように守る権利のこと。著作権は申請が必要なものではなく、創作した時点で発生します。

著作権は著作物を保護するための権利です。
著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいいます。

出典:著作権とは | 日本弁理士会

誰だって、自分が一生懸命に生み出した作品を、他の人にマネされたくはないですよね。他の人にマネされてしまうと、自分の利益が失われます。こういった不利益から守るのが著作権です。

反対に、ハンドメイド作品を販売する私たちは、著作物を無断で使用してはなりません。たとえば、アニメなどのキャラクターは著作物であり、それを販売のために無断で使用すると、著作権の侵害となります。

著作権侵害となるハンドメイド品の例

次に、どのようなハンドメイド作品が著作権の侵害となるのかについて解説します。

ここでは、著作権だけではなく、その他の権利やを侵害する恐れのある作品の例についてご紹介していきます。

それぞれ、どんな権利を侵害することとなるのか?具体例などを挙げながら解説します。

本に掲載されている作品を模倣

本に掲載のハンドメイド作品を模倣する女性

▲ 本に掲載のハンドメイド作品を模倣して販売すると著作権の侵害

初心者の方だと、ハンドメイド作品の作り方が掲載された手芸本を参考にしている方も多いかと思います。

本に掲載されている、基本的な技術は参考にしても問題にはなりませんが、掲載されているハンドメイド作品や図案をマネして販売する行為は著作権の侵害となります。

関連記事ハンドメイドの本に掲載されている作品を見て作るのは違法?

一般的には、書籍には以下のような記述があります。

手芸本の無断転載禁止の記述

手芸本にある記載

本書に掲載した作品は、個人で楽しんでいただくことを前提に制作しております。掲載作品もしくは類似品の全部または一部を商品化するなどし、販売等することは、その手段・目的に関わらずお断りしております。

このような注意事項が本にある場合、掲載された作品を商品化することはできません。こういった記載がなくても、無断で商品化する行為は権利侵害となる可能性があるので危険です。

反対に、「商用利用可」「著作権フリー」と明記されている手芸本も存在します。本を見て作りたい方は、こういった本を参考にすると安心です。

キャラクターを使用または模倣

キャラクター生地のハンドメイド作品を販売する女性

▲ キャラクター生地のハンドメイド作品を販売すると著作権の侵害

アニメやマンガ、映画などに出てくるキャラクターは著作物です。

正確に言うと、キャラクターそのものに著作権はありませんが、キャラクターを小説や漫画、映画、アニメ、ゲーム、ポスターなど具体的な形で表現すると著作物となり、著作権で保護されます。

キャラクターというものは、具体的に表現することで著作権で保護されます。その結果、具体的に表現されたキャラクターは自由に使えないということになるのです。

出典:トップコート国際法律事務所

そのため、キャラクターを無断で使用したり、そのキャラクターを模倣したりすると、著作権の侵害となります。

たとえば、キャラクターがプリントされた生地でハンドメイド作品を作り、ネットショップなどで販売してしまうと、著作権の侵害として訴えられる可能性があります。

関連記事キャラクター生地でハンドメイド作品を作って販売は違法?調べてみた

このことは、ハンドメイドマーケット「minne」にも明記されています。

原則として、権利侵害の恐れがあるため、キャラクターがプリントされている生地や素材を使った作品、またはそれ自体の販売・展示は禁止しております。

出典:minne ヘルプとガイド

実際に、キャラクターの類似商品を販売して訴えられた事件もあります(事例を詳しく見る)。

他人がつくったキャラクターをハンドメイド販売に無断使用するのは絶対にやめましょう。

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ブランドのロゴを使用または模倣

ブランドロゴをハンドメイド作品に使用する女性

▲ ブランドロゴを無断使用したハンドメイド作品を販売すると著作権や商標権の侵害

ブランドのロゴは、著作権や商標権といった知的財産権で保護されているものがほとんど。そのため、ブランドのロゴを無断使用または模倣すると、著作権や商標権の侵害となります。

たとえば、ハンドメイド作品をつくり、そこにブランドのロゴが描かれたワッペンを縫い付けて販売すると、著作権や商標法違反となります。

ブランドのロゴを使用すると、購入者が誤認・混同します。絶対にやめましょう。

キャラクターやブランド名を使用

商品名にブランド名を書いて作品を売る女性

▲ 無関係のブランド名を無断で記述するのは違法

キャラクター名やブランド名のほか、マンガやアニメのタイトルは、商標登録されていることがあるため、無断で使用すると商標権の侵害となります。

商標とは、企業などの事業者が、他人の商品と自己の商品やサービスを区別するために使用するマークのこと。この商品やサービスの目印(商標)を独占できる権利が商標権です。

たとえば、大人気アニメ「鬼滅の刃」は商標登録されているので、ハンドメイド作品をフリマアプリに出品するとき、タイトルに「鬼滅の刃」と記載すると商標権の侵害となります。「○○風」「○○好きな方」といった表記もNGです。

実際に、ブランド名を商品説明欄に記載してハンドメイド作品を販売した女性に対して、商標権の侵害が認められた裁判もあります(事例を詳しく見る)。

キャラクター名やブランド名を記載することで閲覧数を伸ばすことはできますが、商標権の侵害となりますので注意しましょう。

なお、商標登録されている名称は「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」より検索できます。

参考リンク特許情報プラットフォーム

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キットで作った作品

必要な材料や作り方がセットになって売られている「キット」は、『製作した作品は個人の範疇にてお楽しみください。作成図を元にしたキットの販売及び商品の複製を禁じます。』といった、商用での利用を禁止する記載があると販売ができません。こういった記載がなくても、ほとんどのキットは商用利用できませんので注意しましょう。

ちなみに、手作りキットを自分で用意し、販売することは可能です。

アイドルや芸能人を使用

芸能人やジャニーズなどのアイドルを使用し、偽物のアイドルグッズを販売することも違法です。これは「著作権」ではなく、「パブリシティ権」の侵害となります。

コンサート会場外や繁華街で販売される芸能人のカレンダーやポスターといった偽物グッズ。
(中略)
このような偽物グッズの製造販売は違法、すなわち「パブリシティ権」の侵害である。

出典:CPRA TALK

著作権を侵害するリスク

続いては、著作権を侵害すと、どんなペナルティがあるのか?ご紹介していきます。

販売サイトにペナルティを課せられる

まず、権利侵害にあたるようなハンドメイド作品を出品すると、販売サイトに商品削除やアカウント停止などの処分を下されます。

以下は、minneの利用規約より抜粋です。

第三者(本サービスの他の会員を含みます。)または当社の知的財産権(著作権、意匠権、特許権、実用新案権、商標権、工業所有権等)およびその他の権利を侵害する行為

出典:利用規約 | minne

上記の禁止行為に違反すると、『会員に対する本サービスの全部又は一部の提供を停止し、利用契約を解除することができる』とあります。

また、メルカリ・メルカリショップスも同様の措置をとるようです。

メルカリでは、商標権や著作権などの知的財産権を侵害する商品の販売を禁止しています。
権利者の許諾を得ずに、使用や利用することにより権利侵害となる可能性があります。

事務局が禁止出品物に該当すると合理的な理由に基づき判断した場合は、取引キャンセル・商品削除・利用制限などの措置を取る場合があります。

出典:メルカリガイド

懲役又は罰金が科される

著作権、出版権、著作隣接権の侵害は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金となります。民事上も、著作権などの侵害について差し止め請求や損害賠償請求をされることがあります。

実際の裁判では、懲役や罰金が科されるケースは少ないかもしれません。ですが、訴えられたことにより社会的信用をおおきく失います。

参考リンク文化庁

権利侵害で訴えられた事例

ここでは、著作権や商標権といった知的財産権を侵害し、訴えられたり、書類送検となった事例をご紹介します。

偽スヌーピー商品を販売

人気キャラクター「スヌーピー」のデザインと文字を使用した類似商品を販売したとして、奈良署は14日、商標法違反と不正競争防止法違反の疑いで、大阪市旭区生江、無職、上田小夜香容疑者(34)を逮捕した。

出典:産経ニュース

キャラクターを模倣すると、商標権違反や不正競争防止法違反となります。

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偽シャネルのペット用品を販売

ブランド「CHANEL」のロゴを自身のブランドのペット用品に縫い付けるなどして販売。15日に商標法違反で現行犯逮捕されたとのこと。

出典:ねとらぼ

ブランドのロゴを無断使用すると、商標権の侵害となります。

偽シャネルの手作りせっけんを販売

無許可で高級ブランド「シャネル」などに似せたロゴ入りのせっけんなどを製造販売したとして、愛知県警は1日、同県新城市の無職の女(23)を医薬品医療機器法違反(無許可製造販売)と商標法違反の疑いで名古屋地検に書類送検し、発表した。

出典:朝日新聞デジタル

こちらも同様の事件です。ブランドのロゴを無断使用すると、商標権の侵害となります。

キャラマスクを無断販売

人気漫画「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」のキャラクターを無断であしらったマスクカバーをインターネット上で売ったなどとして、警視庁は21日、静岡県三島市のアルバイトの男(66)を著作権法違反(頒布及び頒布目的所持)の疑いで、東京地検に書類送検した。

出典:朝日新聞デジタル

キャラクターの生地を無断使用すると、著作権の侵害となります。

ブランド名を無断使用

フリーマーケットアプリ大手メルカリで「#」に続けて他社商品名を表示するハッシュタグ(検索目印)を用いて類似の出品物を宣伝する行為が商標権の侵害に当たるかが争われた訴訟で、大阪地裁が侵害と認め、表示の差し止めを命じる判決を出した

出典:産経ニュース

ハンドメイド作品のタイトルや商品説明にブランド名を記載すると、商標権の侵害になります。

権利侵害せずに販売するには

ここまで、権利侵害となるケースやリスクについてご紹介してきました。

では、権利を侵害せずにハンドメイド作品を販売するには、どうすればいいのでしょうか。

オリジナルの作品を生み出す

ハンドメイド作品を販売するなら、その作品が「オリジナル」でなければなりません。

オリジナルとは、独創的で唯一無二のものを言います。何もないところから独自にイメージをふくらませて制作したハンドメイド作品は「オリジナル」と言えます。誰かのマネではない、オリジナルのハンドメイド作品であれば、他人の権利を侵害していないので安心して販売ができます。

本やネットを参考にハンドメイド作品をつくるなら、元の作品が特定できなくなるほど素材・色・配置を変えるだけではなく、そこにオリジナリティを加えてください。

使用する素材にも注意

商用利用が禁止されている素材もあるので、ハンドメイド作品に使用する生地やパーツにも注意してください。

たとえば、キャラクター生地やデザイナーズファブリックは商用利用が禁止されています。商用利用できない素材を用いたハンドメイド作品は、販売すると権利侵害となります。販売前によく確認しましょう。

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売らなければ著作権侵害にならない?

この記事では、ハンドメイド作品を販売することを前提に、権利侵害となるケースについてご紹介してきました。では、売られなければ違法とはならないのでしょうか。

個人利用やプレゼントならセーフ

キャラクター生地のハンドメイド作品をプレゼントする女性

▲ 個人利用や友達へのプレゼントならセーフ

著作権法第30条には、「自分自身や家族など限られた範囲内で利用するために著作物を複製することができる」とあります。つまり、趣味として、自分で使うために著作物を複製する程度なら問題ありません。

参考:JASRAC

また、著作権法第26条の2に「譲渡権」という、無断で公衆に譲渡されないための権利がありますが、この権利が働くのは「公衆」向けに譲渡する場合のみ。「特定少数の人」へのプレゼントのような場合には、この権利は働きません。ですので、友達にプレゼントする程度なら問題にはなりません。

参考:著作権法第26条の2

売らなくてもネットで公開すると違法

著作物を複製して販売すると、著作権侵害となります。また、売らなくても、それをSNSや動画投稿サイトに公開すると、公衆送信権などさまざまな権利の侵害になります。

イラストを使ったハンドメイド作品の場合、制作した時点で、複製権(21条)または翻案権(27条)侵害が成立。その後、作品を写真撮影した時点で複製権、メルカリなどにアップロードした時点で公衆送信権、譲渡した時点で譲渡権(26条の2・1項)侵害になると考えられます

出典:BuzzFeed

「売らないからセーフ」ではなく、著作物を公衆に向けて発信したりプレゼントするのは権利侵害です。

まとめ

ハンドメイド作品を販売するとき、注意したいのが著作権です。

キャラクターやブランドのロゴは著作権で守られています。無断で使用すると著作権の侵害となり、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金が科されます。実際に訴えられて、逮捕されている人もいます。

ハンドメイド作品を販売するなら、既存のキャラクターやブランドの影響力を利用するのではなく、独創的な「オリジナル作品」を生み出しましょう。

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ハンドメイド作家の似顔絵(通常)

この記事を書いた人

ハンドメイド作家 みき

20代女子のハンドメイド作家。半年間売上ゼロ→1日10時間制作に没頭→半年後に1,000円の売上→徐々に注文が増える→1年後に個人事業主に。

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