ハンドメイドの販売イベントに出展するには、それなりの出展料を支払います。そのため、ネットの販売価格のまま売ると大損します。
ネット販売と販売イベントでは、考慮すべき「経費」が全く違うのです。
では、販売イベントに参加する場合、いくらに設定すれば良いのでしょう?この記事で解説します。
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ハンドメイド作品の値段の決め方
ハンドメイド作品の販売値段は、原価を算出し、原価の2~4倍ほどの値段を付けると損をしません(詳しくは「ハンドメイド作品の値段の決め方」をご参考に)。
販売イベントの「原価」の例
原価とは、制作に必要になった必要な経費のこと。販売イベントの場合、次の項目が原価に相当します。
- 材料費(アクセサリーパーツなど)
- 作業代(作業時間)
- 出展料
- レンタル代(什器など)
- 搬入費用
- 交通費・宿泊費
- その他雑費
ネット販売では上記3~6の項目がないため、ネットの販売価格のまま販売イベントで売ると赤字になります。
イベントでは作品1つ当たりにいくらの経費が掛かるか?予測して計算しましょう。
原価の計算方法
上記の説明だけではちょっと分かりにくいので、例を挙げます。
ハンドメイド販売イベントで、1つ1,000円のピアスを100個売ることを目標とします。この場合、以下のように原価を算出し、販売価格を決めます。
項目 | 値段 | 備考 |
材料費 | 100円 | アクセサリーパーツ・値札代など |
作業代 | 150円 | 時給900円計算。10分で制作 |
出展料 | 150円 | 出展料15,000円を100で割る |
什器 | 50円 | ディスプレイ用品など5,000円を100で割る |
搬入費用 | 20円 | 自宅から作品を宅配した送料を100で割る |
交通費 | 30円 | 往復の交通費を100で割る |
雑費 | 50円 | 飲食代などを100で割る |
原価合計 | 550円 | イベントに1出品するのに必要な経費 |
販売価格 | 1,650円 | 原価の3倍で計算 |
※出展料などは例です。各自調べてください。
ザックリと計算しましたが、こんな感じで原価を計算し、原価の3倍で販売すると、利益が出るので損をしません。
販売イベントの値段決めの注意点
原価(必要経費)を反映させて販売価格が決まったら、販売イベント用に価格を調整します。
ネットの価格とのバランスに注意
什器をたくさんレンタルすると、その分、原価が高くなります。遠方から参加する方は、交通費や宿泊費が余計に掛かりますよね。これらを反映させると販売価格がかなり高くなり、ネットでの販売価格と差が開くでしょう。
でも、「ネット販売」と「販売イベント」の価格の差が開き過ぎると、お客様がイベントで買う意味がなくなります。
たとえば、販売イベントで1,800円で買ったのに、minneで1,000円で買えたことを後で知ったら、お客様はガッカリするでしょう。
差が開かないよう、経費をなるべく削る工夫をしてください。削れるとしたら、什器やディスプレイ用品などのレンタル代です。ブランドイメージが損なわれないよう気を付けながら、経費をできる限り削ります。
買いやすく、キリの良い価格にする
販売イベントでは、現金でのやり取りがメインとなります。中途半端な数字が出るとお釣りの用意が大変になったり、計算が面倒になることも。
端数は切り落とし、計算しやすく、買いやすい値段設定を心がけましょう。たとえば、販売価格が1,650円なら、1,500円か1,600円にすると良いでしょう。
「相場」を意識する
販売イベントには相場があります。ピアスなどの小物なら1,000円台、バッグや衣類なら5,000円前後が相場です。相場より高すぎたり変に安すぎると、お客様に不審に思われて売れません。
原価や相場などを考慮し、販売イベントでの適正価格を求めましょう。
まとめ
販売イベントのハンドメイド作品の値段は、「目標とする売上個数」と「原価」を出して決めています。
ただし、「元を取らなきゃ」と高くなり過ぎないよう注意も必要です。経費をなるべく削る努力もしましょう。
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値段は、お釣りの計算が楽になるように設定しましょう。お釣りの準備については「ハンドメイド販売イベントのお釣りの用意の仕方」の記事をご参考に。