ハンドメイド作品を販売していると、他の作家さんやそのファンから「似てる」「マネした」「パクリだ!」と指摘されることがあります。
心当たりがあるなら、速やかに商品を削除するべきです。対応が遅いと、騒ぎが大きくなるかもしれません。でも、心当たりがないのに疑惑をかけられるのは心外ですし、どう対処すればいいか困りますよね。
この記事では、自分のハンドメイド作品が「パクリだ」と言われたとき、どう対処するべきかをご紹介しています。対応に困っている方はぜひご参考にしてください。
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心当たりがある(パクった)場合
もし、誰かの作品のマネをしていたり、著作物を無断利用しているのであれば、速やかに出品・投稿を取り下げましょう。
パクるリスクを理解しよう
以下に該当するハンドメイド品は、著作権などの権利を侵害している可能性があります。
- 本やネットに掲載されている作品の模倣
- 商用キャラクターを模倣
- ブランド品を模倣
- ブランドロゴを模写
- 既成の型紙からつくったもの
著作権侵害は犯罪です。著作権を侵害した場合、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金に処せられ、懲役と罰金がともに科せられることもあります(著作権法119条1項)。
ハンドメイドマーケットやフリマアプリに出品されている、個人のハンドメイド作品は、著作物ではありません。ハンドメイド作品が著作物と認められるには、デザインを客観的に観察し、美術品と同等に評価できるくらい美的鑑賞の対象になると判断された場合のみ。一般的なハンドメイド作品が著作物と認められることはありません。
もちろん、著作権に抵触しないからと言って、誰かが生み出したデザインを盗作することは、モラルとして許されることではありません。作家本人から注意されたり、そのファンからの厳しい非難を浴びます。絶対にやめましょう。
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速やかに削除しよう
商用キャラクターを無断使用したり、有名なハンドメイド作家さんの作品をマネしてしまったなど、明らかに自分に非がある場合は、速やかに対処しましょう。
ハンドメイドマーケットやフリマアプリに出品しているのであれば、簡単な手続きで削除が可能です。直ちに販売を中止し、画像などのデータもすべて削除しましょう。ブログやSNSに投稿しているのであれば、そのデータも忘れずに削除すること。迅速な対応は、指摘してくれた人たちに誠意を示せます。それによって、騒ぎが大きくなる前に事態の収拾を図れます。
まれに、著作権者から損害賠償を請求されることがあります。要求された金額が妥当であれば、支払に応じてください。もし、金額が高いと感じたら、弁護士などの専門家に相談し、交渉を進めることをおすすめします。
心当たりがない(パクってない)場合
もし、誰かの作品をマネしたり、著作物を無断利用した覚えがなく、指摘が言いがかりであれば、堂々と販売を続けてください。
指摘内容を確認しよう
心当たりがないのに、「あなたの作品は、この作品のパクリだ」と指摘されるのはとても心外なこと。苦労して考えた作品に「マネしてる」と疑惑をかけられたら、悔しくなり、その指摘を否定したくなりますよね。
しかし、指摘内容が完全に間違っているとも言い切れません。自分の目で見れば類似性はないと確信できても、一般の人の目には「似ている」と見えてしまうこともあります。そして、その似ているとされている商品が著作物や著名人の作品だとしたら、トラブルに発展するケースも少なくありません。ですので、まずは、該当の作品を確認してみましょう。
著作物と自分の作品の類似点が多い場合は、商品を削除することも検討してください。著作物を模倣すると、著作権侵害などの罪に問われます。実際には、法律上の著作権侵害にあたるかの判断は難しく、裁判にならない限りはわかりません。ですが、こういった場合は、速やかに削除した方が騒ぎが大きくならずに済みます。
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パクってないなら、堂々と販売しよう
該当の作品が著作権などの権利で保護されていない商品(たとえば、一般人のハンドメイド作品)で、かつ、マネした覚えがない場合は、特に対処する必要はありません。
ハンドメイド販売において、意図せず、たまたま他の商品と似てしまうことは珍しくありません。今やハンドメイド作家は飽和状態にあり、ハンドメイド作品も有り余るほど世に出回っています。そんな状況で、偶然、だれかの作品と自分の作品が似てしまうのは仕方のないこと。
「パクリだ」という指摘は、的外れだったり、言いがかりだったりするケースもあります。ですので、たとえ誰かに「パクリだ」と言われても、偶然 似ていただけであれば、何を言われても堂々と販売を続けてください。感情的になって反論すると、そこで製作がストップしてしまいます。
話しがこじれたら専門家に相談
心当たりがある場合も、ない場合でも、まれに、指摘した人やその周囲が騒ぎ立てて、事態の収拾がつかなくなることがあります。そして、相手が脅しではなく本気で「著作権侵害だ」「訴える」などと言ってきたら、裁判にまで発展する可能性もあります。
話しがこじれて、本当に裁判に発展すると、自分で解決するのは難しいです。そんなときは、弁護士などのプロに相談しましょう。
弁護士を探すときは、「相談したい分野に力を入れているか」「相談料がいくらかかるか」といったことが重要になってきます。日本最大級の法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」では、悩みの分野を取り扱う弁護士を、実績や費用などから探せます。まずはこちらから条件にあった弁護士を探すと良いでしょう。
まとめ
ハンドメイド作品を販売していると、「あなたの作品は、この作品のパクリだ」と指摘されることがあります。
心当たりがある場合は、速やかに商品を削除してください。心当たりがなく、その指摘が単なる「嫌がらせ」や指摘した人の思い込みだとしたら、特に対処する必要はありません。
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