ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」で作品を販売していると、「販売手数料」や「振込手数料」が必ずかかります。販売手数料は作品が売れるたびに、振込手数料は売上を振り込んでもらうたびに発生します。
このほかにも、「ミンネコパック」「匿名配送」「minne広告」などのサービスを利用するとコストがかかります。「手数料は作品が売れたときだけ」と思いこんでいる方が多いかもしれませんが、実際はさまざまな費用がかかるのです。
この記事では、minne の手数料の種類や計算方法、他サービスとの比較、手数料以外で発生する費用を詳しく解説しています。
この記事を読めば、minne の販売手数料だけでなく、運営にかかわる全体的な費用感を正しく理解できます。販売をスタートさせてから「知らなかった」とならないよう、ぜひ目を通しておいてください。
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手数料の種類と発生するタイミング
minne は登録や出品が無料です。ハンドメイド作品が売れたときに販売手数料 10.56%(税込)、売上を振り込んでもらうときに振込手数料 220円 がかかります。
登録や出品だけなら無料
minne は、誰でも無料で販売者(作家)として登録ができます。出店や出品も無料です。費用がかかるのは作品が「売れたとき」と、売上を「振り込むとき」だけ。実店舗の家賃のように毎月の固定費が発生せず、売れるまでは手数料が一切かからないので、リスクを抑えながらハンドメイド販売ができます。
売れたときに「販売手数料」が発生
販売手数料は、minne に出品したハンドメイド作品が売れたときに発生する手数料です。注文の総合計(作品価格+購入オプション価格+送料)に対して 10.56%(税込)の代金が販売手数料として発生します。
「注文(作品価格+購入オプション価格+送料)」に対して10.56%(税込)が販売手数料として発生します。
作品価格やオプション料だけではなく、送料も含めた 1 回の注文の総合計に対して販売手数料がかかるので間違えないように注意しましょう。
なお、販売手数料は、作家があらためて minne に対して支払うのではなく、売上の一部から自動的に引かれるシステムとなっています。
売上を振り込むときに「振込手数料」が発生
振込手数料は、minne から売上を振り込んでもらうときに発生する手数料です。振込手数料は、1 回の振込につき一律220円となっています。作品ごと(注文ごと)ではなく、1 度の振込に対して 220 円がかかります。
振込手数料:1回の振込につき一律220円となります。
作品の売上は、お客様から直接いただくのではなく、すべて minne 事務局に預けます。この売上は、締め日の時点で売上代金(作品価格+購入オプション価格+送料)の合計が 1,000 円以上になった場合に、作家が指定した口座に振り込まれます。このとき、振込手数料として 220 円が発生する仕組みです。
minne の振込の締め日は毎月月末となっており、この時点で 1,000 円に満たなかった場合は、翌月以降の振込となります。
手数料の計算方法と計算例
minne の販売手数料は、対象範囲に送料が含まれていたり、小数点以下が切り捨てだったりと、計算が少し複雑です。売上の振込額に関しても、「らくらくミンネコパック」を利用したり、匿名配送を利用すると、売上から引かれるので計算が複雑です。
ここでは、販売手数料と売上の振込額についての理解を深めるために、具体的な計算方法をそれぞれ解説していきます。
販売手数料の例(4,400円の注文があった)
minne の販売手数料は、注文の総合計に対して 10.56%(税込)です。計算式は次の通り。
(作品価格 + 購入オプション価格 + 送料)× 0.1056 =販売手数料
※10.56% = 0.1056
ここでは、minne で 1,800 円(税込)の作品を出品し、1 回の注文で 2 つ売れ、500 円のギフトラッピングの申し込みがあり(購入オプション価格)、送料が 300 円だったときの販売手数料の例をご紹介します。
注文金額は次の通り。
摘要 | 数量 | 単価 | 金額 |
作品価格 | 2 | 1,800円 | 3,600円 |
購入オプション価格 | 500円 | ||
送料 | 300円 | ||
注文合計(税込) | 4,400円 |
販売手数料は、この 4,400 円(税込・送料含む)に対してかかります。
計算式は次の通り。
4,400 円 × 0.1056 = 464.64円
※10.56% = 0.1056
販売手数料は小数点以下切り捨てとなるので、この場合の販売手数料は 464 円となります。
minne の販売手数料は コチラのページの自動計算フォーム でシミュレーションができます。ぜひご活用ください。
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minneの販売手数料がわかる自動計算フォーム
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販売手数料のよくある計算ミスの例
minne の販売手数料は、「売上代金の合計」に対してではなく、「注文ごと」に発生します。
よくある計算ミスの例が、1 ヵ月の売上総額に対して販売手数料を計算してしまうこと。minne の販売手数料は小数点以下が切り捨てとなっているため、1 ヶ月の売上総額に対して販売手数料をまとめて計算してしまうと誤差が生じます。
たとえば、1,350円の注文が 4 回あり、1 ヵ月の売上が合計で 5,400 円だったとします。「売上代金の合計」に対して販売手数料を計算(間違えて計算)した場合、次のようになります。
7,920 円 × 0.1056 = 570.24 円
小数点以下を切り捨てると 570 円
これを、「注文ごと」に販売手数料を計算(正しく計算)した場合、次のようになります。
1,350 円 × 0.1056 = 142.56 円
小数点以下を切り捨てると 142 円
142 円 × 4 = 568 円
このように、「売上代金の合計」に対して計算すると、2 円の誤差が生じてしまいます。「注文ごと」に計算しましょう。
売上の振込額の例(5,000円の売上があった)
minne の売上の振込額の計算式は次の通りです。
売上代金 - (ミンネコパック利用料 + 販売手数料 + 振込手数料) +前月繰越金 = 振込額
ここでは、minne で 5,000 円の売上があり、ネコポス(230円)の匿名配送で発送した際の振込額の計算例をご紹介します。なお、このときの前月繰越金は 900 円だったとします。
摘要 | 金額 |
売上代金 | 5,000円 |
ミンネコパック利用料(ネコポス) | - 230円 |
匿名配送利用料 | - 50円 |
販売手数料(10.56%) | - 528円 |
振込手数料 | - 220円 |
前月繰越金 | 900円 |
振込額 | 4,872円 |
ミンネコパック利用料 とは、「らくらくミンネコパック(ネコポス・宅急便コンパクト・宅急便)」を利用した場合の料金です。入金の確認画面では「立替送料」として表示されます。らくらくミンネコパックでは 匿名配送 が利用でき、希望すると別途 50 円がかかります。
競合サービスの手数料との比較
ここまで、minne の手数料がどのくらいなのかをご紹介してきました。では、minne の手数料は競合サービスと比べて高いのでしょうか?それとも安いのでしょうか?
ここからは、次の 3 社の手数料を、minne と比較しながらご紹介していきます。
どのサービスでハンドメイド作品を販売しようか悩んでいる方はご参考にしてください。
Creemaとの比較
Creema は minne に並ぶ国内最大級のハンドメイドマーケット。登録作家はセミプロやプロが多く、購買層の年齢は minne よりも高く、目の肥えたお客様が多い印象。
minne と Creema の手数料の違いは次の表の通り。
手数料の種類 | minne | Creema |
出店料・出品料 | 無料 | 無料 |
販売手数料 成約手数料 |
10.56%(税込)※ | 作品・素材:商品金額の11%(税込) フード:決済総額の15.4%(税込) 台湾、香港サイトでの販売:決済総額の21%(税込)+42円(税込) |
振込手数料 | 一律220円 | 合計金額3万円未満:176円 合計金額3万円以上:275円 PayPay銀行は55円 |
スピード振込手数料 | 機能なし | 振込対象金額の3.56%(税込) |
※作品価格+購入オプション価格+送料
フード以外のハンドメイド作品を売る場合の販売手数料は、minne が 10.56%(税込)であるのに対し、Creema は 11%(税込)となっています。minne の方が若干 安く設定されていますが、販売手数料の対象範囲には送料も含まれているため(Creema は含まれない)、実際の販売手数料は Creema の方が安くなるケースもあります。たとえば、「作品価格:3,000 円」「送料:300 円」の売上があったときの販売手数料は、minne が 348 円なのに対して、Creema は 330 円になります。
フードを販売する際の販売手数料は、minne と Creema では大きく異なります。minne は 10.56%(税込)なのに対して、Creema は 15.4%(税込)となっており、両社とも販売手数料の対象範囲には送料も含まれます。たとえば、「商品価格:4,000 円」「送料:500 円」の売上があったときの販売手数料は、minne が 475 円なのに対して、Creema は 693 円になります。
振込手数料に関しては、PayPay 銀行を持っている方だと Creema の方が安くなります。とはいえ、振込手数料は月に 1 回程度 支払う少額の手数料ですので、それほど気にする必要はないかと思います。
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iichiとの比較
iichi(イイチ)は、職人・工房・デザイナーといったプロが多く集まるハンドメイドマーケット。一人ひとりの技術レベルが高く、ハイクオリティな作品が数多く並びます。購買層は 30 代~ 50 代で、都市部に在住している本物志向を求める人、といった印象です。
minne と iichi の手数料の違いは次の表の通り。
手数料の種類 | minne | iichi |
出店料・出品料 | 無料 | 無料 |
販売手数料 成約手数料 |
10.56%(税込)※ | 作品代金の20%(税込) |
振込手数料 | 一律220円 | 一律160円 PayPay銀行は55円 |
※作品価格+購入オプション価格+送料
minne の販売手数料が 10.56%(税込)であるのに対し、iichi の成約手数料は 20%(税込)。たとえば、「作品価格:5,000 円」「送料:300 円」の売上があったときの手数料は、minne が 559 円なのに対して、iichi は 1,000 円になります(iichi の成約手数料の対象範囲には送料が含まれません)。同じハンドメイド作品を売る場合でも、発生する手数料はおよそ 2 倍も違います。
BASEとの比較
BASE(ベイス) は ASP 型のネットショップ作成サービス。ネットショップの作成から運営・管理までオールインワンでできるサービスを利用して、インターネット上に独立した店舗を構えて販売できます。
BASE は、月額無料の「スタンダードプラン」と、月額 19,980 円がかかる「グロースプラン」を提供しています。商品が売れたときの手数料は「決済手数料」と「サービス利用料」の 2 つで、プランによって異なります。
minne との手数料の違いは次の表の通り。
手数料の種類 | minne | BASE スタンダード |
BASE グロース |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 0円 | 1 ヶ月払い:19,980円 12ヶ月一括払い:198,960円 |
販売手数料 決済手数料 / サービス利用料※2 |
10.56%(税込)※1 | 3.6% ~ + 40円 + 3% | 2.9% ~ |
振込手数料 | 一律220円 | 250円 | 250円 |
事務手数料 ※申請額2万円未満で発生 |
- | 500円 | 500円 |
※1 作品価格+購入オプション価格+送料
※2 Amazon Pay と PayPal で決済された場合、スタンダードプランは 4.6% + 40円 + 3%、グロースプランは 3.9%
BASE の「スタンダードプラン」で商品が売れたときの手数料は、「3.6% ~ + 40円 + 3%」です。たとえば、「商品価格:6,000 円」「送料:500 円」の売上があったときの販売手数料は 469 円となります。minne だと 686 円となるので、いかに BASE の手数料が安いかが分かるでしょう。
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BASEで販売者が負担する手数料と運営費用まとめ
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minneの手数料は高い?
販売サイト選びでもっとも気になる手数料といえば、「売れたときの手数料」ではないでしょうか。振込手数料などとは異なり、商品が売れるたびに売上から引かれるため、できるだけ安い方がストレスもありません。
ここでは、minne とよく比較されることの多い販売サイトのうち、作品が売れたときの手数料の違いをご紹介しています。
サイト名 | 作品が売れたときの手数料 | 作品価格3,000円、送料300円で 売ったときの手数料 |
minne | 10.56% ※作品価格+購入オプション価格+送料 |
348円 |
Creema | 作品・素材:商品金額の11% フード:決済総額の15.4% 台湾、香港サイトでの販売:決済総額の21% + 42円 |
作品・素材:330円 フード:508円 台湾、香港サイトでの販売:735円 |
iichi | 作品代金の20% | 600円 |
BASE | 3.6% ~ + 40円 + 3% | 258円 |
上記の通り、minne は 販売手数料の範囲に送料が含まれるため、Creema よりも高くなることがあります。一方で、フードカテゴリは minne の方が手数料を抑えられます。
iichi の成約手数料は、ハンドメイドマーケットとしては高い 20%の設定です 。同じハンドメイド作品を売っても、売上から引かれる手数料はおよそ 1.5 ~ 2 倍となります。
BASE は「minne」「Creema」「iichi」のような集客力はないものの、手数料がかなり安く設定されているのが魅力です。
このように、販売する場所によって手数料が大きく変わりますが、同時に、客層や集客力などにも大きな違いがあります。販売手数料だけで優劣を決めるのではなく、「自分のスタンスに合っているか」「ターゲットとする人がそこにいるか」といった基準で販売サイトを選ぶようにしましょう。
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手数料以外に発生する運用コスト
minne でハンドメイド作品を販売すると、販売手数料と振込手数料が発生します。この手数料は必ず発生する費用です。
これとは別に、minne が提供している次のような有料オプションを利用すると、別途 費用が発生することがあります。
これらは作家が任意で申し込むサービスです。不要だと判断すれば費用は発生しません。
ただ、「ミンネコパック」や「匿名配送」に関しては安心で便利なサービスですので、利用する方が多いのが現状です。また、「広告の出稿」は、ショップが成長してきたとき、あるいは売れずに悩んでいるときに利用する可能性の高いものです。
あとで「知らなかった」とならないよう、どういったオプションで、いくらかかるのかを事前に把握しておきましょう。
ミンネコパック利用料
ミンネコパック利用料とは、minne とヤマト運輸が提携した独自の配送サービス「らくらくミンネコパック」を利用したときにかかる手数料のこと。手数料といっても発生するのは配送料だけで、それ以外の手数料が発生することはありません(匿名配送は除く)。
対象の配送方法は「ネコポス」「宅急便コンパクト」「宅急便」の 3 つ。配送料(利用料)は次のようになっています。
配送方法 | 配送料金 |
ネコポス | 230円 |
宅急便コンパクト | 590円 |
宅急便 60サイズ(〜2kg) | 800円 |
宅急便 80サイズ(〜5kg) | 900円 |
宅急便 100サイズ(〜10kg) | 1,200円 |
宅急便 120サイズ(〜15kg) | 1,400円 |
宅急便 140サイズ(〜20kg) | 1,600円 |
宅急便 160サイズ(〜25kg) | 1,900円 |
宅急便 180サイズ(〜30kg) | 2,200円 |
宅急便 200サイズ(〜30kg) | 2,700円 |
ミンネコパック利用料は、送り状を印刷した時点で発生します。minne の管理画面の入金明細では、「立替送料」として表示されます。
参考リンク:らくらくミンネコパックの利用料について
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minneの匿名配送のやり方は?設定方法と注意点を徹底解説
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匿名配送の利用料金
minne では、「らくらくミンネコパック(ネコポス・宅急便コンパクト・宅急便)」で匿名配送が利用できます。匿名配送を希望すると、手数料として別途 50 円が発生します。
匿名配送:配送方法に記載の料金にプラス50円(税込)することで、作品を匿名で発送いただけます。
出典:らくらくミンネコパック
たとえば、「ネコポス」を匿名配送で発送する場合、通常の配送料(ミンネコパック利用料)230円とは別に 50 円がかかります。つまり、合計で 234 円がかかります。
メルカリなどのフリマアプリではネコポスを選択すると自動的に匿名配送になりますが、minne は希望しないと匿名配送にならない、希望すると別途 利用料が発生する、という違いがあるので注意しましょう。
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ハンドメイド作品を匿名配送できる個人間取引サイト7選
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minne 広告の出稿
minne 広告とは、クリック課金型の広告機能です。出稿すると、minne の検索結果ページなどに、自分の作品が優先的に表示されるようになります。閲覧者がそれをクリックすると、自分が設定したクリック単価に応じて費用が発生します。クリック単価は 10 円 ~ 999 円の間で設定できます。たとえば、クリック単価を 10 円に設定し、100 回クリックされたら、1,000 円の広告費がかかります。
広告費は、自分で設定した広告単価と、お客様がクリックした回数で決まるため、実際にどのくらいの費用がかかるかは分かりません。ただ、前払い金としてチャージした分だけの使い切りとなっているため、想定以上のコストがかかることはありません。たとえば、1 ヵ月の広告費を 3,000 円と決めていれば、毎月 3,000 円分をチャージすれば、それ以上の広告費がかかることはありません。
広告の出稿は任意なので、販売スタート直後に利用する機能ではないかもしれませんが、minne はライバルが多く新作や人気作に埋もれやすいため、早い段階で利用を検討する可能性が高いです。「広告の出稿で、思ったよりもランニングコストが高くなった」とギャップを感じないよう、広告費も視野に入れてから minne で販売を開始しましょう。
minne 広告に関するガイドは コチラのページ(公式ヘルプ)を参照してください。
まとめ
minne は、登録や出品が無料のハンドメイドマーケットです。手数料がかかるのは、ハンドメイド作品が売れたときの「販売手数料」と、売上を振り込んでもらうときの「振込手数料」だけ。
販売手数料は、注文の総合計(作品価格+購入オプション価格+送料)に対して 10.56%(税込)がかかります。振込手数料は、1 度の振込につき一律220円がかかります。
これら以外にも、「ミンネコパック利用料」「匿名配送の利用料金」「minne広告の出稿」などで費用がかかります。覚えておきましょう。
ハンドメイド売るなら「BASE」
ハンドメイド作品を売るなら
開設実績 6 年連続 No.1 の「BASE」。
売れたときの手数料は minne のおよそ半分。
利益を圧迫しないから長く続けられる。