2022年1月25日より、ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」で「特定商取引法に基づく表記」の所在地・連絡先の非公開が可能になりました。
これまでは、自宅を拠点にハンドメイド作品を販売している個人だと、「特定商取引法に基づく表記」には自宅の住所と、プライベートで使っている電話番号を記載しなければなりませんでした。それが、今回の機能追加により、「特定商取引法に基づく表記」の住所と電話番号を非公開にできます。
参考リンク:個人事業者の「特定商取引法に基づく表記」において、所在地・連絡先の非公開が可能になりました
この記事では、そもそも特定商取引法とはなにか?から、記載方法や非公開にする設定について詳しくご紹介します。「自宅の住所を公開するのが怖い」と感じている方は、ぜひご参考に。
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「特定商取引法」とは
消費者の利益を守るための法律
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者を保護するために制定された法律。インターネット、郵便、電話などの通信手段によって申し込みを受ける取引や、通信販売に従事する場合に適用されます。
通信販売では詐欺行為などが多発しています。そういったトラブルから消費者を守るための法律です。
表記すべき内容
特定商取引法では、「事業者の氏名、住所、電話番号」「販売価格、代金の支払い時期、送料、納期」「返品に関する規定」などを明記するように義務付けています。これが、特定商取引法に基づく表記です。
対象となる販売業者
特定商取引法の対象となる取引は次の通り。
- 訪問販売
- 通信販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引
- 特定継続的役務提供
- 業務提供誘引販売取引
- 訪問購入
上記の「通信販売」とは、インターネット、郵便、電話などの通信手段によって申し込みを受ける取引を指し、ハンドメイドマーケットやネットショップでの販売は、この通信販売に該当します。
特定商取引法に基づく表記は、法人であっても、個人であっても、ハンドメイドマーケットやネットショップで販売するなら必ず実施しなければなりません。
参考リンク:特定商取引法の対象となる類型(消費者庁)
「特定商取引法に基づく表記」の記載は必要?
minneでハンドメイド作品を販売するなら、特定商取引法に基づく表記を記載しないとダメなのでしょうか?
minneのガイドの記載
minneのガイドには、以下のように記載があります。
特定商取引法における販売業者に該当する場合、「特定商取引法に基づく表記」のご登録をお願いしております。
特定商取引法における販売業者に該当するかどうかにつきましては、個別の事例となりますので、minneよりご案内することができません。
記載するかどうかは、個人の判断に任せるようです。
minne運営の回答
ガイドだけでは、記載が必須なのか明確ではありません。
そこで、minneの運営に「特定商取引法に基づく表記」は記載しないとダメですか?と聞いてみました。
お問い合わせの件に関しまして、【特定商取引法に基づく表記】は
各作家様ご自身の判断により、設定をお願いしております。
※食品カテゴリーにて販売を行う場合は、登録が必要です。
やはり、記載するかどうかは作家の判断に任せるようです。
結局、記載は必須なの?
minne運営に聞いてみても、特定商取引法に基づく表記は記載しないとダメなのか、はっきりとした回答は得られませんでした。
結局、空欄はダメなのでしょうか?
いろいろと調べた結果、記載は必須だと判断しました。
記載が必須だと判断した理由は以下の通り。
- minneのほとんどの作家が、特定商取引法の対象となる販売業者であるため
- BASEやSTORESなどのネットショップでは、特定商取引法に基づく表記が必須となっているため
- 特定商取引法に基づく表記は、自己の判断で省略したり、異なる記載をすることはできないため
minneでハンドメイド作品を販売する行為は、特定商取引法の対象者である「通信販売」に該当します。そのため、販売者には特定商取引法に基づく表記を記載することが求められます。
また、特定商取引法に基づく表記は、原則として自己の判断で省略したり、異なる記載をすることはできません、そのため、空欄のままは違反とみなされる可能性が高いです。
そもそも、正体を隠して商品を売ることが許される世の中なら、詐欺行為もまかり通ってしまいます。なので、販売者としてきちんと書いておきましょう。
「特定商取引法に基づく表記」の書き方と確認方法
ここからは、minneで特定商取引法に基づく表記を登録する方法について解説していきます。
登録方法
登録は、会員ページ>設定>特定商取引法に基づく表記にて行えます。
設定画面では、現在の特定商取引法に基づく表記が確認できます。編集ボタンをタップして登録しましょう。
なお、この項目の下にある「所在地・連絡先を公開する」にチェックを入れると、住所と電話番号が非公開になります。
記入例
- 事業者:自分または代表者の氏名
- 郵便番号~建物名など:店舗の住所(店舗がないなら自宅の住所)
- 電話番号:連絡の取れる電話番号(スマートフォンの電話番号など)
店舗がなく、自宅を拠点にminneでハンドメイド販売しているのであれば、自宅の住所と、固定電話やスマートフォンの電話番号を記載しましょう。
※「所在地・連絡先を公開する」にチェックを入れると、minneの住所と電話番号が公開されます。
確認方法
登録した特定商取引法に基づく表記は、各商品ページの「レビュー」の下部「特定商取引法に基づく表記」のリンクから確認できます(未登録だと表示されません)。
または、以下のURLでも確認ができます。
https://minne.com/ユーザーID/trading
ユーザーIDは「@」と「半角英数」の文字列です。
関連記事:【minne】どれが作家名?ギャラリー名って?ユーザーIDとニックネームは同じ?違いを解説
「特定商取引法に基づく表記」を非公開にするには
minneでは、特定商取引法に基づく表記の一部を非公開にできます。
非公開にできる項目
minneでは、特定商取引法に基づく表記のうち、
- 事業者の所在地(住所)
- 事業者の連絡先(電話番号)
が非公開にできます。
事業者の氏名は非公開にできないので、入力した内容が表示されます。
非公開にする方法
特定商取引法に基づく表記の住所・電話番号は、minneの「設定」より非公開にできます。
まず、会員ページにログインし、メニューの「設定」を選択。
次に、設定メニューの「特定商取引法に基づく表記」を選択します。
現在の特定商取引法に基づく表記が確認できます。ここの「プライバシー設定」が「所在地・連絡先を公開する」になっていたら、編集ボタンをタップして非公開にしましょう。
プライバシー設定の「所在地・連絡先を非公開にする」にチェックを入れて更新すると、非公開にできました。
非公開にしたときの見え方
特定商取引法に基づく表記の「所在地・連絡先を非公開にする」に設定することで、代わりにminneを運営しているGMOペパボ株式会社の住所・電話番号を表示することができます。
事業者の所在地は、以下のように記載されます。
〒150-8512
東京都渋谷区桜丘町26番1号セルリアンタワー GMOペパボ株式会社
事業者の連絡先は、以下のように記載されます。
03-5456-2622
氏名を非公開にするには
事業者の氏名は非公開にできません。
偽名やニックネームも認められません。虚偽の内容を記載すると、特定商取引法に違反します。本人確認書類(免許証など)に記載されている正式な氏名を記載しましょう。
minneは匿名で出品できる?
minneは匿名での販売はできません。
特定商取引法に基づく表記の住所・電話番号を非公開にすることはできますが、氏名は公開して販売しなければなりません。
また、商品の発送時には、minneの住所・電話番号ではなく、自宅や店舗の住所・電話番号を記載しなければなりません。匿名配送はできないので、購入したお客様には確実に自分の氏名・住所・連絡先が知られることとなります。
どうしてもハンドメイド作品を匿名で販売したいなら、「メルカリ」などのフリマアプリでの出品を検討しましょう。
関連記事:間違えると住所氏名が表示!「メルカリ」匿名配送の正しい設定とは
まとめ
ハンドメイド作品をネットで販売する方には、特定商取引法が適用されます。この法律では事業者の氏名や住所、電話番号の記載が義務付けらています。
minneで販売するハンドメイド作家さんも例外ではありません。特定商取引法に基づく表記を実施する必要があります。
minneでは、特定商取引法に基づく表記のうち、住所と電話番号は非公開にできます。氏名は公開することとなりますが、住所を非公開にできるのは安心ですね。ご紹介した方法を参考に設定してみてください。
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