ハンドメイド作品が売れてきたら気になるのが「確定申告」。
年末年始になると、所得隠しや申告漏れを指摘された芸能人や企業がメディアで報道されるため、「確定申告ってしなきゃヤバい?」と不安になるハンドメイド作家さんも多いでしょう。
確定申告は、その人の就労状況や年間所得によって「申告する必要がない人」と「申告しなければいけない人」に分けられます。
では、ハンドメイド販売でいくら稼いだら、確定申告をしなければならないのでしょう?その基準を詳しく解説します。

▼動画でも詳しく解説しています。あわせてご参考にしてください。
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確定申告とは
ハンドメイドに限らず事業で収入を得たら、国に所得税を納めなければなりません。その納税額を決める申告が「確定申告」。
確定申告は、毎年1月1日~12月31日までの1年間の「所得」を、翌年の2月16日~3月15日(その年の曜日によって多少前後する)の間に税務署に申告します。

正しく申告しないと「申告漏れ」となり、追加徴税を課されるなどの可能性が出てきます。
確定申告は、ほかに収入があるか?収入額がいくらであるか?によって申告の必要性が変わりますので、ご自身の状況にあわせて確認する必要があります。
確定申告の期間や注意事項は、国税庁の『所得税の確定申告』をご参考にしてください。
確定申告は所得を基準に考える
確定申告は、「売上」ではなく「所得」を基準に考えます。よく勘違いされがちですが、この2つは意味が異なります。
「売上」はハンドメイド作品の売上金額そのままのことを指します。「所得」は、その売上から経費を引いた金額を指します。
たとえば、働いていて売上が25万円であっても、経費が6万円ならば所得が19万円となり、この場合は確定申告の必要がありません。誤って確定申告をしても問題ありませんが、損をすることがあります。

自宅で制作しているハンドメイド作家さんは、家賃なども経費にできます。詳しくは『ハンドメイド販売者が確定申告で経費にできる出費、できない出費の例』の記事をご参考に。
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あなたはどっち?確定申告をする人、必要ない人
確定申告は、働いているか、所得がいくらか、によって申告の必要性が変わります。
確定申告をする必要がない人
確定申告をする必要がない人は、
です。
注意したいのが、確定申告が不要でも住民税の申告は必要であること。詳しくは『ちゃんと払った?ハンドメイドで収入を得たら「住民税」を納めよう』で解説しています。
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働いていて、所得が20万円以下
- ハンドメイド販売の所得が20万円以下
- 会社勤務またはアルバイト・パートをしている
本業がサラリーマン、OL、パート、アルバイトで給与所得がある方で、ハンドメイド販売での所得が20万円以下(本業の所得とは別)であったら、確定申告の必要はありません。
個人的には、副業でやっているのなら、年間所得の20万円を超えるのはなかなか難しいと思っています。「売上」で年間20万円があるのは珍しくありませんが、そこから経費を引いた「所得」で20万円以上を得るのは簡単ではありませんから。

働いていなくて、所得が48万円以下
- ハンドメイド販売の所得が48万円以下
- 定期収入のある配偶者がいる
- 専業主婦や家事手伝いで働いていない
会社勤務やアルバイト・パートをしていない専業主婦や家事手伝いの方で、ハンドメイド販売での年間所得が48万円以下の場合も、確定申告の必要はありません。48万円以内であれば夫の扶養に入ることができ、確定申告の必要もありません。
2020年(令和2年)分の確定申告から、控除の金額などについて大きな改正がありました。基礎控除は38万円から48万円に増額されています。

確定申告をする必要がある人
確定申告の必要がある人は、前述した申告の必要がない人にあてはまらない人たちです。
つまり、
場合は確定申告をしましょう。
働いていて、所得が20万円を超える
- ハンドメイド販売の所得が20万円を超える
- 会社勤務またはアルバイト・パートをしている
本業がサラリーマン、OL、パート、アルバイトで給与所得がある方で、副業のハンドメイド販売の所得が20万円を超える場合(本業の収入は含めない)、確定申告する義務があります。20万円ピッタリでは確定申告の必要はありませんが、1円でも超えると申告の必要があります。
「自営業ではなく副業だから確定申告の必要はない」と勝手な思い込みはしないように。
また、会社に勤務していて、さらに副業でアルバイト・パートを行い、その傍らでハンドメイド販売で収入を得ている場合、アルバイト・パートとハンドメイドの所得の合計金額が20万円を超えたら、確定申告をする必要があります(そんな忙しい人はいないと思いますが)。

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働いていなくて、所得が48万円を超える
- ハンドメイド販売の所得が48万円を超える
- 定期収入のある配偶者がいる
- 会社勤務またはアルバイト・パートをしていない
家事手伝いや定期収入のある配偶者がいる専業主婦で、ハンドメイド販売での年間所得が48万円を超える場合も、確定申告する義務があります。
旦那の扶養に入っていて扶養内に収めたい方は、所得48万円を超えそうになった時点で販売をストップするなどの工夫が必要かと思います。
ちなみに、専業主婦の方だとよく「103万円の壁」を耳にすると思いますが、これは扶養控除38万円(令和2年分以降は48万円)と青色申告の基礎控除65万円の合計金額のこと。確定申告の義務の基準額とは関係がありませんからご注意を。
納税したくない!税金って払わなくてもバレない?

納税したくない気持ちも分からなくはないですが、収入を得たら税金を払うのは国民の義務。
「ネット販売だからバレない」と安易な考えはNG。現在はマイナンバーカードもあるので本業での収入はもちろん、ハンドメイドで得た収入なども、すべて行政側が把握できるようになっています。
そして、確定申告の必要があるのにきちんと申告しないと、税務調査が入る可能性があります。
年間の所得金額が20万円を超えると確定申告をしなければならず、それを怠ると税務調査に入られることがある。特に63万円以上になるとその可能性は高くなる
税務調査で所得隠しや申告漏れを指摘された場合、追加徴税を課されるだけではなく、家族や勤め先にも迷惑がかかることも。言い逃れはできません。必ず、申告しましょう。
よく分からなかったら、早めに税務署に相談しましょう。税務署は敵ではなく味方です。分からないことは何でも親切に教えてくれますよ。
まとめ
ハンドメイドでいくら稼いだら、確定申告する義務が生じるのか?は、年間所得と就労状況により異なります。
基準は下記の表にまとめました。
ハンドメイドの所得 | 就労状況 | 確定申告 |
20万円を超えない | 働いている | 申告しない |
20万円を超える | 働いている | 申告する |
48万円を超えない | 働いていない | 申告しない |
48万円を超える | 働いていない | 申告する |
本業があり、副業でやっているハンドメイド販売の所得が20万円を超えるなら、確定申告をしてください。また、専業主婦でハンドメイドの所得が48万円を超えるなら、確定申告をしてください。
何度も言いますが、所得は売上ではありませんので注意してください。

なお、税金制度は年次によって変わることがあります。最新情報は国税庁のサイトをご確認ください。
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この記事を書いた人
ハンドメイド作家 みき