2021年10月7日に、「メルカリショップス」が本格オープンしました。
メルカリショップスは「かんたんで、売れる」をコンセプトにしたネットショップ作成サービス。ハンドメイド作品やオリジナルグッズ、農家直送の野菜・果物などさまざまな商品を販売できるECプラットフォームです。
関連記事:メルカリショップスの商品の買い方と注意点【初心者向け】
これまでも、メルカリ内でハンドメイド作品や新品未使用品などの販売はできました。では、メルカリショップスはメルカリと何が違うのでしょうか?この記事で詳しく解説していきます。
メルカリショップスへの出店に興味がある方のご参考になれば幸いです。
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動画解説
本記事の内容は、YouTubeでもご覧いただけます。
視覚的に分かりやすいかと思いますので、ぜひ動画もご覧ください。
「メルカリショップス」とは
サービス名称 | メルカリShops |
開発・運営 | 株式会社ソウゾウ |
対象端末 | スマートフォン(iOS、Android) ※パソコンからの操作不可 |
サービス提供開始日 | 2021年7月28日 |
利用料 | 初期費用・利用料無料 |
手数料 | 販売価格の10% |
公式サイト | https://mercari-shops-lp.com/ |
メルカリショップスとは、フリマアプリでおなじみの「メルカリ」が提供するネットショップ作成サービスです。個人クリエイターや生産者などの小規模事業者でも、簡単かつ無料でネットショップをはじめられます。
今までも、メルカリで新品の商品を販売することは可能でしたが、もともと1点物を売るフリマアプリということもあり、在庫管理ができない欠点がありました。
また、購入希望者から値下げ交渉があったりと、新品を売りたい小規模事業者やハンドメイド作品を売りたい個人には不向きなプラットフォームでした。
メルカリショップスはネットショップですので、在庫管理ができるのはもちろん、値下げ交渉もありません。
メルカリと同じ出品体験で使えるため、今までメルカリを利用したことのあるユーザーならストレスなく簡単にネットショップを開設できます。
メルカリとの違いは?
フリマアプリ「メルカリ」とネットショップ作成サービス「メルカリショップス」にはさまざまな違いがあります。
ここでは、細かな違いは省き、出品者として注目したい以下の6つの違いをご紹介していきます。
運営者の氏名や住所が知られる
メルカリでは、自分のプロフィールページに個人情報を掲載することなく取引ができました。
発送についても、匿名配送を使うことで、購入者に氏名や住所を知られることがありませんでした。
関連記事:間違えると住所氏名が表示!「メルカリ」匿名配送の正しい設定とは
ところが、メルカリショップスでは、メルカリを利用する全てのユーザーが、ショップ運営者の氏名・住所・電話番号を知ることができます。
メルカリShopsでは、以下のとおり、ショップ運営者情報が開示される場合があります。
ただし、アプリ上では表示されず、開示請求がおこなわれた場合にのみ、開示請求者に対し個別に情報開示をおこなっています。出典:メルカリShopsガイド
これは、特定商取引法に基づき義務付けられていることですので、当たり前といえば当たり前です。他のネットショップ作成サービスでも同様に、ショップ運営者の氏名・住所・電話番号を知ることができます。
ただ、住所・電話番号に関しては設定で非公開にできます(本名は公開されます)。
関連記事:メルカリショップスは運営者の住所が誰でも見れる。非公開にできる?
配送方法が少ない
メルカリではヤマト運輸の「ネコポス」や「宅急便コンパクト」、日本郵便株式会社の「ゆうパケット」「ゆうパケットポスト」など便利な配送方法が選択でき、配送料金が全国一律で、匿名配送にも対応していました。
メルカリショップスでは、今のところ「らくらくメルカリ便」のネコポス・宅急便コンパクト・宅急便しか使えません。
ゆうゆうメルカリ便・梱包・発送たのメル便はメルカリショップスに対応していないので、これらを利用したい人は使いにくいと感じるかもしれません。
関連記事:メルカリショップスの発送方法はどれ選ぶ?送料やサイズを徹底解説!
値下げ交渉に応じる必要がない
メルカリはフリマアプリなので値下げ交渉がありました。
販売価格よりも安く買いたい人が、販売者に対して「お値下げ可能でしょうか?」などとメッセージを送ります。この値下げ交渉は、ハンドメイド作品を販売している人にとって煩わしいやりとりでした。
ネットショップであるメルカリショップスでは、購入前のコメントを受け付けるかどうかをショップ側で設定ができるため、値下げ交渉や不要な問い合わせを受け付けないようにできます。
在庫管理が可能
メルカリは「不用品を売る」がコンセプトですので、「在庫」という概念がありません。そのため、在庫数やサイズ・カラー展開といった設定がありません。在庫数やサイズ・カラー展開のある商品を売るには、1点ずつ出品する手間がかかりました。
メルカリショップスでは、価格・在庫数・サイズ・色を設定して在庫を一括管理しながら販売できます(ネットショップなので当たり前といえば当たり前ですが)。
参考リンク:種類と在庫とはなんですか?(メルカリShopsガイド)
中古品を売るには許可が必要
メルカリショップスで中古品を販売するには、「古物商許可」を取得する必要があります。
参考リンク:古物商許可申請(警視庁)
メルカリで中古品を売る場合、「自宅の不要品を売るため、商売ではない」と判断ができ、「古物商」には該当しませんでした。そのため、メルカリで不用品を売るときに「古物商許可申請」をする必要がありません。
メルカリショップスで中古品を売る場合、利益をあげることを目的としてネットショップを立ち上げ、中古品を繰り返し仕入れ販売するため、「古物商」に該当する可能性があります。
ですので、メルカリショップスで中古品を販売するなら、「古物商許可」を取得してください。
参考リンク:中古品(古物)を販売する時の注意事項を教えてください(メルカリShopsガイド)
販売利益が5,000円以上ないと振込申請ができない
メルカリショップスでは、販売利益(商品販売価格から販売手数料を除いた金額)が5,000円以上の場合に振込が可能になります。振込は任意のタイミングではなく、販売利益が5,000円以上あると、翌月10日(金融機関休業日の場合はその前日)に登録口座へ支払われます。
メルカリでは振込最低金額といった基準ががなく、好きなタイミングで振込申請ができました。
なお、メルカリでは振込期限があり、売上金の獲得から180日経つと失効してしまいました。メルカリショップスでは売上金に有効期限はないので安心してください。
他社サービスとの違いは?
メルカリショップスの競合となる国内のネットショップ作成サービスには、「BASE」「STORES」「カラーミーショップ」などがあります。
これらと比較して、メルカリショップスは
といった違いがあります。
手数料が高い
サービス名 | 初期費用 | 月額利用料 | 販売・決済手数料 |
メルカリショップス | 無料 | 無料 | 10% |
カラーミーショップ※ | 無料 | 無料 | 6.6%+30円 |
BASE | 無料 | 無料 | 3.6%+40円+3% |
STORES※ | 無料 | 無料 | 5% |
※カラーミーショップ・STORESはフリープランの手数料
メルカリショップスは、他のネットショップ作成サービスに比べてやや高めに設定されています。これはメルカリショップスがモール型ネットショップだからだと考えられます。
関連記事:メルカリショップスの販売手数料は10%。他社と比べて高い?
ネットショップには「モール型」と「ASP型」の2種類があります。
モール型はAmazonや楽天市場に代表される、複数のショップから構成されるネットショップ。高い集客力がありますが、ASP型に比べるとランニングコストが高くなります。
ASP型はあらかじめ用意された仕組みを借りてネットショップをつくるので、低コストで運用できる反面、集客力が弱い欠点があります。
関連記事:【人気4社比較】ハンドメイドのネットショップ開業でおすすめは?
集客に強い
メルカリショップスは、月間利用者数1,900万人以上の「メルカリ」アプリ内にネットショップを持つことができます。さらに、フリマと同様にAIによるマッチングを導入するため、必要な人に最適な商品を届けられます。
BASEやSTORESに代表されるASP型ネットショップは完全に独立したお店となるため、自分で集客をしなければ売り上げにつながりません。そのため、集客のノウハウがない人は「ネットショップを立ち上げても、まったく売れない」という状況に陥ります。
その反面、モール型ネットショップであるメルカリショップスは集客に優れているため、ショップに訪問するお客様が多く、売れる可能性が高くなるかもしれません。
プラン選択がない
STORESやカラーミーショップにはフリープランのほか、有料プランがあります。月額費用がかかる分、手数料が安くなり、使える機能が増えます。
関連記事:どっちがおすすめ?STORESのフリープランとスタンダードプランの違い比較
メルカリショップスにはこういったプラン選択がありません。手数料10%は他のネットショップ作成サービスに比べても高い設定となっているので、ショップが成長してきた(売上がどんどん増えてきた)ときに割高な手数料がネックになるでしょう。
まとめ
メルカリショップスは初期費用・月額利用料が無料でネットショップを開設できます。
メルカリとの大きな違いは、自分のショップを持つことができ、在庫管理が可能になること。配送に関しては、まだゆうゆうメルカリ便などが使えません。また、匿名配送は使えますが、ユーザーから開示請求があったら個人情報がバレます。
他サービスとの違いは、集客力が高い反面、販売手数料が高いこと。有料プランの提供予定も今のところないので、ショップが成長してきたときにネックになるかもしれません。
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